リハビリでのマッサージの捉え方と手技、方法、エビデンス

治療の準備・治療目的に行われているマッサージは理学療法士毎にその手技や方法、捉え方に違いがあると思います。マッサージをすることでどのような効果があるのか、生理学的影響や治療手技などをまとめてみました。

マッサージとは

マッサージは

軟部組織に対して、徒手的に軽擦、揉捏、圧迫などの物理的刺激を加えることにより、疼痛、筋スパズムなどの軽減を図り、運動機能を維持・改善し、精神的リラクセーションを促進する治療体系

と定義されています。

 

マッサージは徒手療法の一つに含まれ、理学療法分野において筋スパズム、筋疲労、癒着・瘢痕などの症状の軽減や予防を目的に行われています。

 

効果的な理学療法を実施するには、物理療法→徒手療法→運動療法というような一連の流れをもった対応が重要になると思います

特に関節可動域制限や疼痛に対するマッサージは、急性期には疼痛の軽減や浮腫の軽減を目的に行い、

慢性期には物理療法と併用して行うなど、その後の運動療法における治療効果に対して特に重要な治療手技であると考えられます。

マッサージの手技とそれぞれの生理学的効果

1) 軽擦法(stroking, effleurage)

 手掌面で一定した圧力をかけて末梢から中枢に向けて擦る方法です。

刺激部位の体温上昇、血管拡張、動・静脈血流の促進など。

中等度以下の刺激強度でゆっくり行うと、リラクセーション効果を得られやすい。

2) 強擦法(rubbing, friction)

 母指の指腹を治療部位に垂直に当て、中等度以上の圧力を加えた状態で擦る方法です。

術後の瘢痕や癒着をはがすような目的で行います。

浮腫の軽減、局所循環の改善、組織の粘弾性の改善など。      

3) 揉捏法(kneading)

 治療部位にある程度の圧をかけて、円を描くように刺激し、移動させていく方法です。

反射性の血管拡張、血液とリンパ循環の改善、組織の栄養補給、物質代謝の促進、老廃物の排出、筋疲労の緩和など。

4) 圧迫法(pressing petrissage)

 手掌、母指、肘などを治療部位に当て、垂直方向への圧迫力をゆっくり加える方法で、比較的深部の疼痛や筋疲労、筋硬結を対象とします。

局所の循環の改善、組織の粘弾性の改善など。

5) 叩打法(percussion, tapotement)

 左右の手を用いてリズミカルに交互に叩打刺激を加える方法です。

局所循環の促進。刺激強度が強い場合には神経・筋系への興奮作用、弱い場合には鎮静作用が得られる。

6) 振戦法(vibration)

 指端、母指などを治療部位に当て、上肢全体の振動を伝える方法です。

振動の強度や振幅によって変化するが、一般的にはリラクセーション効果がある。

7) 摩擦マッサージ(friction massage)

 癒着などを起こした筋や結合組織の走行を横断的にこするように行います。

摩擦は、治療者の指と患者の皮膚とが一体となるように動かします。

創傷治癒過程の促進や局所循環の改善など。

8) 結合織マッサージ(connective tissue massage)

 Elisabeth Dickeによって考案された軟部組織治療手技の一種であり、体の表面に近い結合織に実施する特殊なマッサージです。

皮膚と皮下組織に軽いストロ-クを短く、あるいは長く加えます。

結合組織の可動性の増大、循環の改善など。

9) 機能的マッサージ(function massage)

 Daniel Muhiemannによって考案された治療手技で、筋のリラクセーションを目的とした手技で、治療部位に圧迫を加えながら筋を伸長させ、リズミカルに伸長と弛緩を反復させるように行います。

疼痛の軽減、筋の弛緩、軟部組織の循環の改善など。

 

マッサージのエビデンス

 理学療法士が治療で行うマッサージについて、たくさんの生理学的効果が示されていますが、

臨床効果としてエビデンスが構築されているものは調べた限りではありませんでした。

 

様々な手技や適応があり、プラセボ効果であることも考えられ、

個々の経験や熟練を要するマッサージについてのエビデンスを構築するには今後も難しいのではないかと考えます。

しかし、生理学的効果として疼痛の軽減、筋緊張の緩和、浮腫の軽減、筋疲労の軽減、

結合組織の粘・弾性の改善、循環の促進、新陳代謝の促進、精神的リラクセーション、免疫機能への作用、

などが挙げられることから、マッサージは徒手療法の一つとして適応されるべき手技の一つであるとは思っています

マッサージを治療としてリハビリに取り入れるか??

 効果的なマッサージ治療は即時効果があり、

筋緊張の緩和や疼痛の改善、関節可動域制限の改善など患者さんもプラセボを含めたとしても治療効果を感じやすいものであると感じています

そのため現段階でマッサージを治療手技として扱うにはやはり、生理学的影響、治療技術、臨床効果について整理し、

物理療法や他の徒手療法、そして運動療法と適宜組み合わせて、患者に最も効果的な治療プログラムを組み立てることが重要と考える。

参考図書・教科書




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