拘縮は予防が大事!予防と治療、注意点をまとめました



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骨折や脳血管障害後遺症により、関節拘縮に至ってしまうことがあります。一度拘縮になってしまった関節を元の関節の状態に戻すのに時間もかかるため、拘縮の予防が大切になります。

今回は、拘縮の予防と治療の考え方についてまとめてみました。

拘縮の予防

何事も予防に勝るものはないと思います。拘縮の予防としては促進させる要因をできるだけ少なくさせることが重要です。一般的には以下のことになるのではないでしょうか。

拘縮の予防のために浮腫の予防をする

浮腫とは、血管外の細胞外液が間質(組織の隙間)に貯留した状態のことをいいます。

外傷後などで炎症が起こると、サイトカインなどにより血管の透過性亢進により、血漿中の蛋白質が組織間へ移り、間質液コロイド浸透圧が上昇し、血管から浸出液を引き込み浮腫が生じます。浮腫などによる浸出液は、線維素が多量に含まれることから周辺組織に線維化を促進し拘縮を発生しやすくなる。

浮腫を抑制する方法

➀患肢の挙上位保持

➁ 固定関節より遠位関節部での自動運動

③固定関節周囲筋の等尺性収縮訓練

④ 弾性包帯、弾性ストッキングの使用

⑤間欠的空気圧マッサージ器

 

拘縮の予防のためにポジショニングの選択

外傷後や寝たきりの患者さんでは、よく屈曲位の肢位でベッド上臥位になっていることはよくあるのではないでしょうか。二関節筋はよく短縮しやすいとされ、肘関節屈筋、下腿三頭筋、股関節屈筋、膝関節屈筋などが短縮しやすく、伸展拘縮を引き起こすケースが多いでしょう。

そのため、それらの筋に適当な tension がかかるポジショニングを設定することが必要になります。

拘縮予防でのポジショニングの記事はこちら👇

疼痛のコントロール

疼痛があると、防御性収縮や筋スパズム(筋スパズムが原因での疼痛であることも)の原因となり、筋の短縮や血流阻害されて拘縮につながります。局所の炎症による場合は消炎鎮痛剤などが使用される。可動域訓練を行っても、疼痛による防御性収縮でさらに筋の緊張を挙げてしまう可能性もあります。

そのため、痛みの原因を究明し、除痛を目的にアプローチしていく必要があります。

疼痛を無視して訓練を進めると、疼痛を増悪させ、防御性収縮や筋スパズムを助長してしまい筋の短縮につながるかもしれません。

 

拘縮の治療

適切な評価により制限因子の特定がなされたならば、その制限因子に応じた理学療法を選択する。

物理療法

物理療法、とくに温熱療法では患者さんにリラクセーションを与え、過緊張の軽減、疼痛閾値の上昇などの効果が期待できます。関節可動域訓練やストレッチングの前に物理療法を利用し、その後の運動療法を痛みが少なく行えることも目的に利用してみてもいいかもしれません。

 

ストレッチングによる拘縮の抑制と回復

・ストレッチングによる抑制

ストレッチングは関節不動による拘縮の進行を抑制するとされています。

マウスによる動物実験で、2週間足関節を底屈位固定したモデルにおいてストレッチングを10分、20分、30分のそれぞれで実施すると、不動群に比べると実施後の背屈角度に上昇がみられたと報告されています。また、10分<20分<30分で、30分で一番背屈角度が上昇したとされ、30分持続したストレッチングと、30分間欠的にストレッチングした群では効果の差がなかったとされ、拘縮の抑制にはストレッチングの実施時間が重要な要素だとされています。

・ストレッチングによる回復

ストレッチングは関節不動による拘縮の回復を促進させるとされます。

ラットによる動物実験で、4週間足関節を底屈位固定したモデルにおいて、一日に30分のストレッチングを行った群と自然回復群にわけると、ストレッチングした群では回復が良好であったとされています。

 

関節が不動となり、筋内膜のコラーゲン線維の配列変化が阻害され骨格筋の伸張性低下につながりますが、ストレッチングを行うと、コラーゲン線維の形態が正常のそれと類似していたことが報告されています。つまり、ストレッチングにより筋内膜のコラーゲン線維の可動性の低下が予防できるのです。

 

拘縮治療での注意事項

挙げれるものを記載したので参考にしてみてください。

➀ 翌日に疲労・疼痛を残さない。

➁ 疼痛がある場合は、除痛を優先し、防御性収縮が起こらないように配慮しながら行う。

③ 強い伸張や大きな反復運動は、伸張反射や軟部組織損傷を招くことがあることを留意する。

④筋力低下している筋に持続的伸張をかけると、過度の弛緩を招く危険がある。

⑤深部感覚障害がある場合は、軟部組織損傷を招く危険がある。

⑥関節の副運動を考慮して行う。

⑦end-feel を意識して行う。

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