側臥位の治療ポジショニングを解説!リハビリでの治療肢位選択

側臥位(side lying)の特性

側臥位は、臥位姿勢の中では最も支持基底面が狭く、不安定な姿勢であるといえます。

上側の上下肢は屈曲と内転・内旋を呈しやすい姿勢であり、また不安定感から屈曲・回旋の代償的な固定が生じやすく左右非対称的な姿勢を呈しやすいです。

このようにデメリットな点が多いようですが、適切にポジショニングを行えると、

立位姿勢や歩行に必要な運動連鎖を構築する治療を行いやすいという大きなメリットを含んでいます。

背臥位や腹臥位では肋骨や脊柱、骨盤の回旋などの動きは非常に動きを出しにくいですが、側臥位ではその操作がしやすくなります

上側の上下肢は空間に位置することになり、なかなか知覚しづらい股関節伸展方向への感覚入力を行いやすくなります。

また、看護面においては排痰姿勢や褥瘡予防の姿勢として導入されます。

背臥位のポジショニングに関する記事はこちら

側臥位(side lying)のメリットとデメリット

側臥位のメリット

・体幹の回旋の運動が引き出しやすい

・上側の上肢や下肢の運動を引き出しやすく、下肢は伸展方向へ操作ができる

・上側の上下肢の操作では接触刺激はなく、空間での動きになるため、運動の知覚に集中しやすい

・麻痺側を下にした場合、麻痺側に荷重感覚が入力される

側臥位のデメリット

・支持基底面が狭いため、不安定感がある

・不安定感によって屈曲や回旋での固定の代償がみられやすく、非対称性の姿勢となりやすい

・麻痺側を下にした際に、肩甲帯のポジショニングが不良であると、肩にメカニカルストレスがかかり軟部組織の損傷を招くおそれがある

側臥位のポジショニングのコツとポイント

基本的には中間位のポジショニングを目指していきます。

ポジショニングの基本的なことは拘縮予防の記事に書いてます

頭部のポジショニング

体幹(脊柱)に対して、頭部は側屈していないかを確認します。

枕は高すぎないか、低すぎないかをチェックしましょう。

肩・上肢のポジショニング

下側の肩は多くは肩甲骨が挙上していることが多いため、肩甲骨を下制させながら、肩関節への直接の荷重とならないように、肩甲骨をしっかり外転に引き出してあげます。

上側の肩や上肢は、上側が麻痺側であるとすると肩甲骨が後退(retract)し、体幹が回旋していることが多いです。

肩関節が伸展に入り、肩関節前方組織にストレッチがかかり痛みを誘発することも考えられます。

そのため、上側肩関節は屈曲し、内外転中間位になるようにクッションを体の前に置いてあげます(抱き枕みたいな)

 

脊柱のポジショニング

歩行時に麻痺側下肢のswingを骨盤の挙上で行う片麻痺の患者さんの場合は、

麻痺側を下にした側臥位であれば側腹部とベッド面に空間できる可能性があり、

麻痺側が上での側臥位では、麻痺側骨盤挙上と麻痺側側腹部の短縮で脊柱の側屈がみられることが想定できます。

そのため、タオルを下側の側腹部とベッド面の間に詰めることで脊柱がストレートになるようにします。

 

下肢のポジショニング

上側の股関節は内旋・内転位となり、上側骨盤がその股関節内転・内旋にひっぱられるように回旋してしまいます。

そのため、左右の大腿・膝・下腿・足部にクッションを挟みましょう。

クッションの厚みは股関節中間位になることを心がけます。

大腿だけにクッションをいれた場合は、下腿~足部の重さによって外旋位になってしますので、足部までクッションを挟むとよいかもしれません

参考図書・教科書