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腰椎骨盤リズムとは
正常な体幹の前後屈運動は、脊柱と骨盤・股関節の運動から成る複合的な多関節運動です。
この運動における腰椎と骨盤の動きの関係性は「腰椎骨盤リズム(lumbar pelvic rhythm)」と呼ばれます。
腰椎骨盤リズムについては、以下のようなことが知られています。
体幹前屈50〜60°までは腰椎の屈曲によって行われ、それ以上の前屈には骨盤の前傾が伴います。
体幹前屈の開始時には腰椎と股関節の両方が動きますが、70〜90°を超えると腰椎の前屈が減少し、股関節の動きが前屈の最終域まで続きます。
つまり、体幹前屈動作(FFDなど)では、最初は腰椎の屈曲が主であり、徐々に股関節の動きが主となるのです。
臨床では、腰椎骨盤リズムの破綻が多く見られます。
例えば、腰椎屈曲可動域が制限されると、股関節に過度の屈曲可動域が求められ、結果として股関節インピンジメントなどの股関節機能障害が生じます。
逆に、股関節屈曲可動域が制限されると、前屈動作時に腰椎に過度の屈曲可動域が求められ、いわゆるぎっくり腰になることが多々見られます。
このように、腰椎または股関節のいずれか一方に可動域制限が生じると、もう一方に問題が生じるというわけです。
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前屈動作の評価ポイント
前屈動作の評価ポイントとして、以下の3点が挙げられます。
①腰椎が屈曲しているかどうか
②骨盤が前傾し股関節が屈曲しているか
③骨盤が後方へ移動しているか
この3点に注意して前屈動作を評価することで、前屈動作の問題点を特定することができます。
動作時の評価方法には、骨盤圧迫テストによる腹横筋の評価や、骨盤可動性テストによる股関節の評価があります。
これらのテストは原因箇所を特定するのに有用です。
腰痛のリハビリテーションにおいては、腰椎の屈曲が過剰な場合には腹横筋を中心とした体幹トレーニングが重要です。
一方、胸郭、骨盤、股関節の可動性が低下している場合には、その可動性を改善することが求められます。
腰椎骨盤リズムの改善に向けたアプローチ、リハビリ
腰椎骨盤リズムが破綻している方に対するアプローチについて考える前に、以下の点を知っていただきたいと思います。
ハムストリングスのストレッチ介入が腰椎骨盤リズムに及ぼす即時効果については、次のような報告があります。
結論として、ハムストリングスを即時的にストレッチしても腰椎骨盤リズムは変化しません。
一方、前屈動作における骨盤前傾の変化量は股関節内旋・外旋可動域と正の相関があります。
したがって、股関節内旋および外旋に関わる筋群の柔軟性向上と骨盤のフォースカップル機構の協調性向上が必要です。
即時的に効果を出すためには、股関節内旋・外旋筋群の柔軟性向上が有効です。
また、長期的なハムストリングのストレッチには腰椎骨盤リズムの変化が示唆されています。
フォースカップルに関わる筋の協調性も獲得する必要があります。
骨盤前傾運動では、股関節屈筋群と脊柱伸筋群の協調性を確認することが重要です。
骨盤後傾運動では、股関節伸筋群と腹筋群の協調性を確認する必要があります。