スーパーフィシャルバックラインの概要とリハビリ応用/アナトミートレイン

スーパーフィシャルバックラインとは

スーパーフィシャルバックライン(SBL)はアナトミートレインの筋膜ラインの一つです。

superficial back lineと英語では表記します。

頭皮の筋膜から頸部後面を通って背面、下肢の後面、足底までの大きな筋膜の連結です。

直立姿勢を維持することがこのラインの大きな役割になります。

スーパーフィッシャルフロントラインと対となるラインです。

SBLの走行

筋のつながり

帽状筋膜

脊柱起立筋

仙結節靭帯

ハムストリングス

アキレス腱/腓腹筋

足底筋膜および短趾屈筋

後面の筋がバックラインとして連結していることがわかりますが、

広背筋と大臀筋が入っていないことに注意が必要です。後面の筋がすべて連結しているというわけではないのです。

骨のつながり

前頭骨、眼窩上隆起

後頭骨稜

仙骨

大腿骨頭

踵骨

趾骨底面

SBLの特徴

特徴としましては、以下のようなものが挙げられます。

・膝関節の伸展位と屈曲位で連結が変化

・主に抗重力筋で構成されたライン

・一次湾曲と二次湾曲に関与

 

膝関節の伸展位と屈曲位で連結が変化

SBLでは二つのラインの連結が見てとれるところがあります。

それは「ハムストリングス~帽状筋膜」までのラインと「腓腹筋~足底筋膜」までの2つのラインです

腓腹筋とハムストリングスはどちらも膝関節をまたぎます。

そのため、

・膝伸展位:ハムストリングスと腓腹筋が重なり合い大腿と下腿の筋・筋膜は繋がり、1つの機能単位となる

・膝屈曲位:ハムストリングスと腓腹筋がほどけて大腿と下腿の筋・筋膜は別々に機能する

という特徴があります。

 

主に抗重力筋で構成されたライン

SBLの大きな役割は体幹を伸展方向に誘導し、直立姿勢を保つことにあります。

そのため抗重力筋で構成され、遅筋繊維の割合が多いです。

 人間の発達においては、赤ちゃんは立つことができなかったのが、

ハイハイなどの動き(四つ這いになって一側上肢を前方にリーチすることや、

前方の空間を見るために頭を持ち上げると背面の筋が収縮しますよね)でこのラインの筋肉が発達していき、立位をとることが可能になります。

一次湾曲と二次湾曲に関与

人間の脊柱はS字にカーブを描いており、胸椎・仙椎が後湾、頚椎・腰椎は前湾しています。

しかし、人間が胎児のときは実は脊柱は後弯のみであり、前湾は生まれてから前方の空間を見る為に頭を持ち上げること、

ハイハイすること、立つことなどの赤ちゃんの発達にあわせて形成されていきます。

そのため、脊柱のS字カーブは

・後湾を一次湾曲

・前湾を二次湾曲

としています。

 

SBLは適度な緊張を保つことで、この一次弯曲と二次弯曲のバランスを維持させているのです

SBLが湾曲のバランスをとっているため、SBLの機能不全・歪みが生じると湾曲のバランスが崩れます。

そうすると湾曲のバランスをSBL以外で代償しないといけなくなります。

例えば広背筋で代償して保とうした結果、腰痛につながることが考えられます。

 

バックラインを体感してみよう!!

バックラインのつながりを自分で体感してみることができます。

自分で体感しておくと、患者さんやクライアントの治療に導入しやすいと思いますのでぜひやってみてください。

前屈

前屈動作のやり方1つでバックラインを感じる事ができます。

・長座位となり前屈していくと下腿三頭筋やハムストリングが突っ張ってくると思います。

・ここでさらに頚部伸展・頭部屈曲(顎を引く)をして頚部後面の長さをだすと、さらに下腿三頭筋とハムストリングスの突っ張り感が増すと思います。

バックライン 前屈

ハムストリングスから離れている頭部後面の伸張でハムストリングスが張るということは連結していることを示しています。

 

前屈にたいして介入すると仮定して、アナトミートレインを考慮して治療を行っていくならば、

バックライン上の筋・筋膜にアプローチすればハムストリングスに繋がってる筋・筋膜の伸張性・滑走性が改善し、

前屈もできるようになるのではないでしょうか。

参考図書・教科書