物理療法を知ろう!コールドパックの適応、禁忌、使用方法をまとめました

コールドパック


物理療法におけるコールドパックとは

コールドパックとはアイスパックとも呼ばれ、冷凍しても凍らない保冷材のようなものです。スポーツ現場では捻挫などのときに使用されることが多いと思います。中身はシリカゲルであり防水加工されたビニール性の袋に詰めています。

アイスパック

引用元:https://ja.aliexpress.com

0~-5℃の冷凍庫で十分冷やしてから使用します。20~30分程一定の温度を維持することができます。

間違いやすいものとして同じ寒冷療法のアイスバッグがあるので注意が必要です。

アイスバッグの記事はこちら

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コールドパックの特徴

・冷凍しても凍らないため患部の形状に合わせることができる(サイズも何種類かある)

・20~30分は一定の温度を保つことができる

・ホットパックと比べると水分を多量に含んでいるわけではないので軽量で持ち運びやすい

・アイスバッグと比べると、ビニールが頑丈であるため破れることはまずない

 

コールドパックの適応疾患・禁忌

寒冷療法の適応疾患としては以下のものがあげられますが、コールドパックは小さく持ち運びがしやすい点や、あらかじめ冷やしておけばすぐに使用できる点などから部活動やスポーツクリニックで使用されることが多いと思われます。そのため、急性外傷の炎症に適用されるでしょう。

寒冷療法の詳しい適応疾患・禁忌・生理学的作用は以下の記事で解説していますのでぜひご覧ください

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コールドパックの使い方

➀コールドパックの説明を行います

 手順や肌を露出してもらうこと、治療時間(20分程)、冷たくて痛かったり・なにか感覚の変化があったりした場合は遠慮せずに告げること、などを説明します。

➁患部の確認をします

 患部の感覚が正常か、傷はあるか、腫脹や熱感の程度などの確認をします。

➂患部にコールドパックを当てやすい患者さんに楽な姿勢をとってもらい、患部を露出してもらいます

➃コールドパックをタオルで巻くか、患部とコールドパックの間にタオルを挟んで治療をはじめます(20分程)

➄都度、患者さんに温度感を確認します

 冷たすぎないか、痛みが強くなっていないか、などを確認しましょう。

➅終了したら患部や全身状態の確認をします

※コールドパックは使いまわすことが多いため、タオルで巻くなどして直接肌に触れないようにするといいと思います(外で使用する場合は汚れることもあるので)。

コールドパック施行時の注意点

・コールドパックは0℃以下の温度になっているので凍傷になる危険があることを理解しておきます。

・骨が体表面に近い部分に使用する場合、コールドパックの重さで血管が圧迫されて血流が悪くなることもあります。

・寒冷刺激によって組織の低下するため、コールドパック施行直後に強い関節可動域訓練を行うと組織の損傷につながることもあります。