エネルギー変換熱を知る!超短波療法の禁忌、適応、使用方法をまとめました

超短波

超短波療法とは

超短波(マイクロ波)は、温熱療法の一つのエネルギー変換熱に分類されます。エネルギー変換熱は電磁波や超音波が生体内で熱エネルギーに変換されることで生体を加熱します。

超短波とは30~300MHzの周波数領域の電磁波ことを指します。超短波療法では27.12MHzの周波数が最も使用されます。

2つの超短波療法の治療理論

同じ超短波でも加熱したい目的の組織に合わせて治療法が異なります。

コンデンサー式

・2極の電極で患部を挟み、患部を電気回路の一部とします。

・人体は絶縁物であるため、電流が蓄積して熱が発生することを利用します。

・脂肪組織を加熱しやすいのが特徴です。

 

コイル式

・コンデンサー式とは違い1極だけの導子を使用します。

・コイルから人体に向かって電流が流れます。

・脂肪層を通過して深部を加熱します。

 

超短波療法の3つの方法

 

➀コンデンサー電界法

➁ケーブル法(ラセン電界法)

➂ラセン電界放射法

 

コンデンサー法の治療方法

・患部を2枚の電極で挟みます。

・電極と患部の間にはスペーサー(タオルやフェルト)を挟むことで2~5㎝離し、電極と身体は直接触れないようにする。

・患部を電気回路の一部とすることで患部を加熱します。

 

ケーブル法(ラセン電界法)の治療方法

・患部を導子でコイル状に巻きます。

・このとき、導子と患部の間にはスペーサー(タオルやフェルト)を挟むことで0.5㎝以上離し、電極と身体は直接触れないようにする。

 

ラセン電界放射法

・ケーブル法の応用型のようなものです。

 

スペーサーの役割

・電力線の集中を防ぐ

・汗を吸収することで局所の温度上昇、火傷を防ぐ。含水量の多い部位は温度上昇が起こりやすいため。

・電極間の距離を適当保つ。

生理学的作用

  • 鎮痛作用
  • 痙性の減弱
  • 精神的な作用で全身の緊張を緩和
  • 組織代謝の亢進
  • 血管の拡張
  • 軟部組織の伸張性増大

★ 深部交感神経節へ作用

     深部まで加熱できるため、腰部や頚部にある交感神経節に作用して交感神経を抑制する

 

超短波の適応

  •  疼痛

腰痛や打撲、捻挫、腱鞘炎などの筋や関節に起因する疼痛(急性期は禁忌)

  • 関節拘縮

軟部組織の伸張性増大を図る

  • 筋スパズム(筋の痙性)

 

超短波の禁忌

  • あるゆる疾患の急性期
  • 悪性腫瘍
  • 感覚障害
  • 出血傾向
  • 循環障害・閉塞性の血管疾患

 

エネルギー変換熱に特有なものとして

  • 妊娠している方の腹部

深部まで加熱するため羊水まで加熱がおよぶため

  • 睾丸部
  • 人工関節部やペースメーカを埋め込んでいる場合

    金属に極超短波を当てると熱の収束が大きく火傷の危険性があります。

    また、金属で極超短波が反射されてまわりの組織を加熱してしまいます。

 

 

極超短波と超短波の比較

 

極超短波

超短波

周波数

2450MHz

27.12MHz

治療時間

5~30分(20分のことが多い)

10~20分

対象組織

脂肪

設置・操作

簡便

電極の設置などあり極超短波よりは時間がかかる

方法

照射

コンデンサー電界法

ケーブル法

 

実際の超短波の使用手順

➀まずは禁忌事項について確認をします。

 人工関節やペースメーカー、骨折してプレートの埋め込んでいないかをカルテで確認したり、Drや患者さんに直接聞いて確認します。ネックレスや服の刺繍やデザインなどで金属製の材料が含まれている衣類かどうかも確認しましょう。

 

➁患者さんに患部を露出して楽な姿勢をとってもらいます。

 

➂患部によって治療電極を選択します。

 

➃下着1枚程度の上から電極を患部に接触させます。

 

➃電源を入れてタイマーをセットし、照射します。電圧を徐々に上げていきます。

 

➄都度、患者さんに温度感を確認して出力を調整します。

 患者さんが心地よいと感じる程度の出力で調整しますが、時間がたつと「熱い」と感じてくることがある点にも注意しましょう。

 




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