物理療法を知ろう!アイスバッグの適応、禁忌、使用方法をまとめました

icebag


物理療法におけるアイスバッグとは

アイスバッグは、細かく砕いた氷をビニールの袋に詰めたものを患部に当てて冷やす寒冷療法の一つです。専用の器具が必要なく、氷と袋があればすぐに自分で作れるため、スポーツ現場での捻挫などの急性外傷時によく使用されます。

同じ寒冷療法のなかにアイスパック(コールドパック)があり名前が似ているため間違えやすいです。

アイスパックの記事はこちら

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アイスバッグとコールドパックの比較

 

 

アイスバッグ

コールドパック

治療時間

5~20分

20分程

温度低下

急激に低下する

アイスバッグよりは緩徐に低下する

注意点(共通の注意点以外)

・袋が破れることがある

・急激に温度を低下させるためこの寒冷療法を嫌う患者もいる

・アイスバッグに比べると注意点は少ない

利点

・氷とビニール袋があればその場で作ることができる

 

・冷却できる機器(冷凍庫)があれば何回でも使いまわせる

・軽く持ち運びしやすい

 

アイスバッグの適応疾患・禁忌・生理学的作用

寒冷療法のページで詳しく適応疾患や禁忌を記載していますので、良ければそちらでご確認ください。

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アイスバッグの使い方

➀アイスバッグの説明を行います

 手順や肌を露出してもらうこと、治療時間(20分程)、冷たくて痛かったり・なにか感覚の変化があったりした場合は遠慮せずに告げること、などを説明します。

➁患部の確認をします

 患部の感覚が正常か、傷はあるか、腫脹や熱感の程度などの確認をします。

➂患部にアイスバッグを当てやすい患者さんに楽な姿勢をとってもらい、患部を露出してもらいます。

 アイスバッグの結露で服が濡れないようにタオルで服を保護します。

➃患部とアイスバッグの間にタオルを挟んで治療をはじめます(5~20分程)

➄都度、患者さんに温度感を確認します

 冷たすぎないか、痛みが強くなっていないか、などを確認しましょう。

➅終了したら患部や全身状態の確認をします

 

アイスバッグ施行時の注意点

・アイスバッグは0℃以下の温度になっているので凍傷になる危険があることを理解しておきます。

・袋が破れることもあり、溶けた冷水が患部以外の箇所を冷やしてしまうことや服が濡れてしまうことがあります。

・骨が体表面に近い部分に使用する場合、アイスパックの重さで血管が圧迫されて血流が悪くなることもあります。

・寒冷刺激によって組織の低下するため、アイスパック施行直後に強い関節可動域訓練を行うと組織の損傷につながることもあります。