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回復期病棟で働いていると呼吸器疾患に対するアプローチはあまり行うことはありませんが、呼吸器疾患を既往として持っている方は以外と多くいます。
呼吸器疾患の方は動作をするたびに息苦しくなったり、脈が速くなったりすることが多いです。
リハビリでの動作も息苦しく負担がかかる運動があるかもしれません。
負担が大きいとやはりリハビリが辛くなってくると思うので、どういう動作が辛いのかを把握しておくといいかもしれません。
また日常生活でも負担がかかる動作の仕方をしている可能性があります。そういうアドバイスもできたらいいなと思います。
今回は息苦しい動作と、対処方法を紹介していきます。
息苦しい動作は??
実際にどのような動作が息苦しく、負担が大きいのでしょうか??
いくつか例をあげてみましょう。
①腕を挙げる
腕を挙上させると胸郭の動きを制限するため息苦しくなります。
・洗髪
・上着の着脱
・高いところの物をとる
などの動作
②息を止める
・洗顔
・会話
・排便
など
③腹部を圧迫する(横隔膜などの動きを制限する)
腹部に圧がかかると横隔膜が動きの制限を呼吸しにくくなります。
・靴下の脱ぎ履き
・ズボンの脱ぎ履き
などの前にかかむような動作
④反復する
力を入れ続け、スピードがつきやすいような動作は連続して動いてしまうため息苦しくなりやすいです。
・身体を洗う
・掃除機をかける
・雑巾がけ
まず代表的な息苦しくなりやすい動作を挙げてみました。
患者さんはどのような動作で息苦しさを感じるのか確認してみましょう。
効率の良い動作を行うためにはエネルギーの消費を抑えることを心がけることが大切です。
息苦しくならないように、対処法の紹介
➀口すぼめ呼吸やゆっくりした大きな呼吸を行い、これらの呼吸の呼気と息苦しい動作の開始を合わせる。
息を吐く時はエネルギーを使わないので、その分楽に動作を行うことができます。ここでのポイントはゆっくりとした大きな呼吸は「深呼吸」ではありません。深呼吸は努力性に行うのでエネルギー消費を増加させてしまいます!
➁動作は呼吸に合わせてゆっくり行う。
ピラティスなどのエクササイズの呼吸法として屈曲伸展理論というものがあります。体を伸ばすようにしたときは胸郭が広がりやすいので息を吸い、身体を屈めるときは胸郭や腹部が圧迫されるような形になり息を吐き出しやすいというものです。
この理論を応用してみてもいいかもしれません。
➂動作の途中で休憩を入れる。
無理をして一度に全てを行ってしまうと、安静状態に回復するまでの時間がかかり、肺や心臓に余計な負担をかけてしまいます。
1つの動作が完了したら一度、安静状態に戻してからまた動作にとりかかるようにしましょう。この考えは負担の大きい動作を1日に何度も行わないなど、1日のスケジュールを立てる時にも利用できます。
➃無駄な動きを省く。
人の動きには習慣や癖などにより無駄な動きが多いです。この動きを少なくすることで効率よく動作を行えます。しかし、これは自分では見つけることが難しいため家族などの協力が必要です。
➄動作の方法を変える。
多くの人は息苦しいと感じながらも習慣により、同じ動作を繰り返すことが多いです。息苦しさを感じたら思い切って動作方法を変えてみることも大切です。
➅周りの環境を整備し効率よく動けるようにする。
息苦しくなりやすい動作として高いところに手をのばす、腕を挙上する動作と書きました。
では環境を整備してなるべく手を挙上しないような環境にしてみましょう。例えば、よく使う食器類は腰のあたりの棚にしまう、服は前開きのボタンシャツを着るようにする
などなどです。
おわりに
このように色々な方法で息苦しさを軽減させることができます。
呼吸器疾患のある患者さんにリハビリの会話のなかでこういった日常生活のアドバイスをしてみるのもいいのではないでしょうか。