パーキンソン病のリハビリのために症状、診断基準、分類を知っておこう!

パーキンソン病とは

パーキンソン病は振戦、筋固縮、無動、姿勢・歩行障害を主症状とする中枢神経変性疾患として知られています。

原因は黒質の変性によって神経伝達物質であるドパミンが生成されなくなることによりますが、なぜ変性が起こるのかははっきりと解明されていません。

抗パーキンソン病薬であるLドパによって経過は長期化されると同時に加齢に伴う骨粗鬆症や運動能力の低下によって転倒の危険性も増えてきており、リハビリも重要視されます。

 

パーキンソン病に対するリハビリはまた違う記事に書こうと思います。

パーキンソン病の4大症状

パーキンソン病の症状には大きく4つあります。

1.振戦

パーキンソン病で特徴的な症状は手や指の安静時振戦になります。

4~7Hzで規則的なリズムで震えが生じるものですが、力をいれるととまるため、日常生活を阻害することは少ないとされます。

パーキンソン症候群ではこの安静時振戦はあまり見られないことが多いため鑑別にも重要になります。

2.無動

随意運動ががのろくゆっくりであり、身体の動きが少ないのも無動と言います。昔は寡動という言葉も使われていましたが同様の意味です。

歩行においては手の振りが欠如したり、表情の変化に乏しくなる仮面様顔貌、話し声が小さくて低い、小字症などがこの無動にあたります。

3.筋固縮

筋を他動的に伸張した際にガクガクと抵抗がある状態です。

Lドパによって改善しやすい症状のようです。

4.姿勢反射障害、歩行障害

この症状は転倒の大きな危険因子となります

立ち直りが見られず、ずっと斜めの姿勢を呈することから「ピサ徴候」とも呼ばれます。

またすくみ足歩行も特徴的で、足が床にはりついたようになかなか一歩目が踏み出せない症状です。

このすくみ足は段差があると容易に足を挙げたり、床に跨げるようにテープなどの目印があると踏み出せたりします。

メトロノームで音刺激を与えてもそれに合わせて踏み出せるのです。

 

パーキンソン病の非運動症状

自律神経症状として

・便秘

・嘔吐

・流涎

・起立性低血圧

・食後性低血圧

・発汗過多

・あぶら顔

・排尿障害 (神経因性膀胱)

・勃起不全など

 

精神症状として

・感情鈍麻

・快感喪失

・不安

・うつ症状

・幻視・幻聴

・認知障害など

 

感情鈍麻はうつ症状として出現することもありますが、単独で出現することもあります。

うつ症状はパーキンソン病の精神症候の中でも多いとされています。

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パーキンソン病の原因

脳の中の中脳黒質線状体が変性することでドーパミンという神経伝達物質が減少し発症します。

しかし、変性してしまう原因はまだ解明されていません。

仮説としては毒素や酸化によってダメージを受けてしまうという説やミトコンドリアの異常等が考えられています。

パーキンソン病の診断基準

パーキンソン病の診断は、1995年に厚生省特定疾患・神経変性疾患調査研究班によってパーキンソン病の診断基準がつくられました。

 

厚生省が示しているパーキンソン病の診断基準は以下の通りになります。

次の1~5のすべてを満たすものをパーキンソン病と診断する.

1.経過は進行性である.

 

2.自覚症状で以下のうちいずれか一つ以上がみられる.

A:安静時のふるえ(四肢または顎に目立つ)

B:動作がのろく拙劣

C:歩行がのろく拙劣

 

3.神経所見で以下のうち,いずれか一つ以上がみられる.

A:毎秒4~6回の安静時振戦

B:無動・寡動(仮面様顔貌、低く単調な話し方、動作の緩徐・拙劣、姿勢変換 の拙劣)

C:歯車現象を伴う筋固縮

D:姿勢・歩行障害:前傾姿勢(歩行時に手の振りが欠如、突進現象、小刻み歩 行、立ち直り反射障害)

 

4.抗パーキンソン病薬による治療で自覚症状・神経所見に明らかな改善がみられる.

 

5.鑑別診断で以下のものが除外できる.

A:脳血管障害のもの

B:薬物性のもの

C:その他の脳変性疾患

 

 

パーキンソン病の病期(ステージ)=ホエン・ヤールの重症度分類

パーキンソン病には症状の重症度を表すものとして「ホエン・ヤールの重症度分類」があります。

介護が必要か、どの程度の重症度なのかを伝える目的として使われます。

重症度は1~5までの5段階に分類されます。

 

1 :片側の手足のみに症状が表れている(日常生活における影響は軽微で、ほとんど差し支えない状態)

 

2 :両側の手足に症状が表れている(日常生活に対して多少の不自由さを感じるが、障害としての度合いは軽微。仮に歩行障害が見られても、ほんのわずかの状態)

 

3 :両側の手足に症状が表れ、姿勢反射障害が出現する(まだ日常生活においては自立しているが、職業によってはかなりの制約が見られる状態。)

4 :両側の手足に強い症状が表れ、3度よりも姿勢反射障害が強く出現する(介助があれば歩行できるが自力歩行はかなり困難、そして介護者がいないと生活に支障をきたす状態。)

5 : ほとんど寝たきりの状態になり、移動は車椅子が必要となる(生活の基本はベッドになり、全面的に介護者が必要な状態)