小脳梗塞とは
小脳梗塞は梗塞の中では発症率は低いとされています。
小脳に十分な血流量を運ぶ栄養血管が多いとされているからです。
しかし、小脳が梗塞されるとスムーズに運動が行えない、平衡感覚が障害されてバランスを崩しやすくなる、立っていることが困難になるなどの症状を引き起こします。
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小脳梗塞の原因
小脳を栄養している血管は上小脳動脈、前下小脳動脈、後下小脳動脈です。
この3つの動脈の中でも梗塞が起こりやすいのは後下小脳動脈とされています。
小脳出血では上小脳動脈の破綻が原因になります。
小脳梗塞の症状
小脳は視覚や体性感覚の情報のフィードバックを受けながら前庭・小脳系として四肢・体幹を協調的に制御し、平衡感覚を保持する機能を持ちます。
小脳梗塞などで小脳に障害を受けると、感覚器からのフィードバック情報を受け取れなくなり、企図振戦や測定障害などの失調症状が出現します。
また、小脳と密に連絡を取り合っている前庭神経とのつながりが障害されるため、平衡感覚障害、眼球運動障害とそれに伴う回転性めまいを訴えます。
・運動失調
・平衡感覚障害
・めまい
・頭痛、嘔吐
・構音障害
など
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梗塞血管別の症状の特徴
上小脳動脈
小脳だけではなく中脳、橋にも栄養をしています。
そのため、橋症状としての対側の体幹・上下肢の温痛覚障害、深部感覚障害がみられます。
小脳出血の好発部位でもあります。
前下小脳動脈
内耳動脈を分枝として持っていることから、難聴が症状として現れることがあります。
後下小脳動脈
前庭神経核、延髄背外側を栄養しています。
そのため、眼振や回転性のめまい、延髄外側症候群(wallenberg症候群)としての症状が出現します。
小脳梗塞のリハビリ
教科書等に載っている運動失調に対するリハビリとして一般的なものとして
・弾性包帯緊縛法
・重錘負荷法
・フレンケル体操
・固有感覚受容性神経筋促通手技(PNF)
が挙げられます。