上腕骨近位端骨折とリハビリ 病態、分類、運動療法を解説



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上腕骨近位端骨折は高齢者の骨折で頻度が高いもので、転倒などで肩、上腕骨に外力が加わったことで発生します。

今回は上腕骨近位端骨折の病態、原因、リハビリなどをまとめてみました。

上腕骨近位端骨折のリハビリのために病態を知ろう

上腕骨近位端骨折は、股関節に起きる大腿骨近位部骨折、手関節に起きる橈骨遠位端骨折、

脊椎圧迫骨折と並んで、特に骨粗鬆症の高齢女性に発生しやすい骨折といえます。

症状は肩の激しい痛みや痛みによる受動制限、皮下出血などがあります。

ギプスはせずに三角巾などやバストバンドで固定します。痛みや腫れの状況を見ながら、3週間ほど経ったぐらいから肩を動かすリハビリを始めます。

 

 

上腕骨近位端骨折の症状

受傷直後から疼痛(とうつう)を感じ、動かそうとするとさらに痛んで、腕を上げることができなくなります。

骨折部のズレが少ないと押して痛みが出る程度の場合もありますが、2~3日すると肩から胸、上腕にかけて皮下出血が広がってきます。

 

・骨折による肩から二の腕の腫れや痛み

・肩を動かすことはできない

・場合によっては神経が損傷し、手のしびれが起こることもある

・上腕骨の骨折であれば、手を握ることは問題ない

 

上腕骨近位端骨折の分類:neerの分類

上腕骨近位端部を、①骨頭②大結節③小結節④骨幹の4つのsegment(区分)に分け この4つのsegmentが1cm以上離開するか、

45度以上回旋転位した場合に限って転位とし 1つの骨片が転位していれば2-part骨折、 2つが転位すれば3-part骨折、 3つが転位すれば4-part骨折とします。

上腕骨近位端骨折 neer分類 

引用元:http://med-info.nl

 

転位が前述した規定以下の場合は、骨片の数にかかわりなく、minimally displaced fractureまたは1-part骨折として一括して扱います。

なお、骨頭自体が骨折して転位した場合はhead-splitting骨折、骨頭が圧挫・欠損したものはimpression骨折として別に分類します。

上腕骨近位端骨折の治療

保存療法

骨折部にズレがなければ、三角巾などで固定する保存療法を行います。

特に、寝たり起きたりする動作の際に肩関節を安定させることが重要なため、バストバンドなどで体幹に固定します。

3週間は固定を行いますが、固定期間中も手や指の運動は積極的に行います。

痛みや手指の腫れが軽くなれば、可動域訓練を始めることができます。

 

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手術療法

手術は、鋼線などを用いる方法から、髄内釘固定法やプレート固定法が行われます。

脱臼骨折の場合やneerの分類での4part骨折と診断されている場合は人工骨頭置換術が行われる場合もあります。

上腕骨近位端骨折 手術

引用元:日本骨折治療学会https://www.jsfr.jp

上腕骨近位端骨折に対するリハビリ

保存療法の場合

外固定期間中

手指や肘の自動運動

 

2~3週間の肩関節部の安静後(急性期の疼痛の軽減後)

振り子運動→等尺性運動→自動介助運動→自動運動→抵抗運動の順でリハビリを進めていきます。

・振り子運動

立位で体幹前屈位から体重心を前後左右に移動することで肩関節の動きを出します。

注意点としては治療初期は三角巾固定下で行うこと。

治療初期は骨折部が回旋ストレスに弱いため回旋の動きがでないようにする。

肩周囲筋の筋収縮を起こさないように。

 

手術療法の場合

手術により得られた固定性を念頭に置きながら、保存療法に準じてリハビリを行っていきます。

解剖頚・関節内骨折が存在する場合は、骨頭に負荷がかからないように注意します。

 

参考図書・教科書