肩関節の疾患への評価と整形外科的テスト【理学療法評価】




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肩関節疾患における問診

問診によって症状の把握をします。

痛みだけではなく、不安定感や運動制限、筋力低下などの本人が自覚している症状を確認します。

肩の疾患において痛みはとてもじゅうような評価指標になります。

・痛みの部位

これは本人に指で指し示してもらって細かい位置を把握をしましょう

・自発痛or運動時痛??

 

・痛みはどうすると痛くてどうすると楽になる??

どうすると痛くなるかに着目しすぎずに、重要なのはどうすると痛くなくなるのかです。

楽になる方法がわかれば、そのときのアライメントや筋の活動状態、筋や靭帯の短縮や伸張の関係性などを確認できます。

またその肢位でポジショニングできれば楽に過ごせるようになります。

 

急性に起こる激痛であれば石灰沈着性腱板炎の可能性もあり診断につながります。

 

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肩関節疾患における視診・触診

視診であれば

・姿勢

・肩の高さ

・肩甲骨の位置

などを左右で比較しながら観察します。

 

触診であれば

・肩峰、烏口突起、大結節の位置関係

・腫脹や熱感などの炎症症状

・圧痛

・筋の緊張

などを確認します。

 

上腕二頭筋の筋腹が遠位に位置していれば、上腕二頭筋長頭腱断裂の可能性もあり診断につながります。

 

肩関節疾患における評価や整形外科的テストの方法と目的

ROMやMMTでの関節可動域と筋力の検査はもちろん必須になります。

体幹の代償や肩甲骨の挙上などの代償に注意して評価していきます。

結帯動作や結髪動作などの複合運動は左右差として出現しやすいものになります。

 

Sulcus test

出典https://eikou-kai.com/

目的:

肩関節の不安定性の評価

方法:

肩甲骨を固定し、上腕骨と肩峰下の溝を触診する。

上腕骨を把持して下方へ牽引する。肩関節内外旋位でも実施する。

判定:

下方への動揺が健側に比べて過度に大きい、視診でわかる肩峰下の溝が確認できれば陽性

 

前方不安感テスト(Anterior Apprehension Test)

出典https://www.leeseikei.jp/

目的:

肩関節前方不安定性の有無

方法:

肩関節90°外転・外旋位の肢位で把持し、もう一方の4指を骨頭の前方に置き、母指で骨頭を前方に押す。

判定:

脱臼に対する不安感があれば陽性

 

 

ヤーガソンテスト(Yergason Test)

出典https://alcot-sekkotsuin.com/

目的:

上腕二頭筋長頭腱炎の有無

方法:

肘関節90°屈曲位・前腕回内位で手首を把持する。

一方の手で肘を支え、被験者には前腕を回外させるように力を加えるように指示し、検者はこれに抵抗する。

判定:

結節間溝部に痛みが誘発されれば陽性

 

 スピードテスト(Speed Test)

目的:

上腕二頭筋長頭腱炎の有無

方法:

前腕回外位、肘伸展位、で抵抗下に上肢を挙上させていく。

判定:

結節間溝部に痛みが誘発されれば陽性

 

ドロップアームテスト(Drop Arm Test)

目的:

腱板損傷・断裂の有無

方法:

肩関節を90°他動的に外転し、支えの手を外しても落下しないように保持してもらう。

判定:

保持できない、または前腕部に指一本で抵抗をかけると落下する場合に陽性

 

Impingement Test (インピンジメント徴候)

目的:

棘上筋のインピンジメントの有無

方法:

肩甲骨を固定して、肩甲上腕関節を他動的に挙上していく

判定:

痛みが誘発されれば陽性

有痛弧サイン(painful arc sign)

目的:

腱板炎や肩峰下滑液包炎の有無

方法:

上肢を挙上する、また挙上位からおろしていく

判定:

60°~120°の間で痛みが生じれば陽性

腱板炎では有痛弧サイン陽性で自発痛・夜間痛がない

肩峰下滑液包炎では有痛弧サインが陽性で自発痛・夜間痛が出現する。

Jerk test

目的:

肩関節後方不安定性の有無

方法:

肩関節90°屈曲位、内旋位で肘頭を把持する、もう一方の手は肩甲骨を固定。

上腕骨頭を関節窩に押し付けながら水平内転させていく。

判定:

骨頭が後方に逸脱すれば陽性