痛みの評価はどう進める?痛みの分類や評価の目的、手順をまとめました

腹痛

“痛み”には

痛みは手術侵襲や転倒など外傷によるものから、中枢神経の疾患でみられるしびれなどの異常感覚によるものなど原因は様々でしょう。また、痛みは精神面にも左右されたり、気圧や天気、湿度などの環境にも影響されます。

痛みと気温・気圧の関係についての記事はこちら👇

痛みの評価の目的

➀客観性

痛みを主観的ではなく客観的に捉え共有できるよう、どの領域に、どんな種類、どの程度、どんな時に、どのぐらいの時間といったものを数値や統一の言語に置き換えます。

 

➁原因

運動時?収縮時?荷重時?どの相でどの部位なのか原因を探ります。

 

➂ADLの阻害因子

痛みによって患者さんの動作やADLにどのような影響を与えているかを見極めます。

 

➃効果判定

理学療法介入したことで変化したかを痛みの改善度合で判定する

 

痛みの分類

痛みの分類としては大きく4つに分類されます。

しかし、4つのうちの一つに属するのではなく4つの分類それぞれのさらに細分化された分類別けのどれになるかを判別します。

・発生した時期

・痛みの性質

・痛みの部位

・その他の一般的なもの

の4つの分類があります。

 

痛みが発生した時期による分類

  • 急性痛

組織損傷に伴う炎症が原因で、一般的にこの時期の疼痛は激痛で急激に発生するが、炎症過程の修了とともに落ち着いていきます。

  • 慢性痛

神経系の障害や心因性の問題に起因します。

持続的な痛みで原因の除去にも時間がかかるか困難なため慢性化します。

 

痛みの性質による分類

  • 一次痛

主に急性痛です。Aδ線維により中枢へ伝達されるものです。

痛みの原因となる刺激により急激に起こり、刺すような鋭い痛みが特徴です。

  • 二次痛

主に慢性痛です。C線維により中枢へ伝達されます。

精神状態に左右されやすいもので、鈍い痛みが特徴です。

 

痛みの部位による分類

  • 表在痛

皮膚病変により皮膚に発生する痛みのことです。

  • 深部痛

筋や関節、靭帯などに発生する痛みのことです。

  • 内臓痛

内臓病変に伴う痛みのことです。

 

その他の一般的な分類

  • 安静時痛:安静時に起こるもの
  • 運動時痛:自動、他動運動の際に起こるもの
  • 夜間痛:夜間に起こる安静時痛
  • 圧痛:圧迫刺激によって起こる痛み
  • 放散痛:痛みの発生部位を始点にしてその周囲に放散するもの
  • 関連痛:痛みの原発部位から飛び越えた部位に起こる痛み

痛みの評価の手順

痛みの評価としては問診、視診、運動検査、触診があります。

それぞれ細かく解説していきます。

問診

➀炎症の経過の聴取

・痛みに至った経緯(転倒ならいつどこでどうやって、どういう動作で)

・痛みの変化(軽減や悪化)

・痛みの出現の仕方(急激に?ゆるやか?)

 

➁自発痛か安静時痛かの聴取

・痛みの発生する姿勢や動作、また軽減する姿勢などを確認する

・安静時痛の場合はその肢位をとってもらう(姿勢も関係ないことも)

・運動時痛の場合は、どの動作や動きのときに痛みが再現できるかを調べる

 

➂痛みの部位を聴取

・細かく正確に行う

 例えば“膝の内側”だとしても後内側なのか、さらに筋なのか、筋であれば半腱様筋?半膜様筋?などのように細かく

 

➃痛みの質を聴取

質からどこが痛いかを推察

 

➄痛みの程度を聴取

・visual analogue scale(VAS)

 臨床で多く用いられている

・フェイススケール

 慢性疼痛に有効とされる

痛みの評価スケールについての記事はこちら👇

➅持続時間・発現時間を聴取

・時間は規則的なものがあるか(夜間痛とか、朝起きたときにつよいとか)

 

➆どうすると痛くないか

これが一番大事だと私は思っています!!

痛いのばかりに意識がいくと「これをすると痛いよな」と不安が強くなったり、

その不安から痛みが強くなったりもします。一緒に痛くない姿勢だとか動作を見つけて、

痛かったらこの姿勢をとれば大丈夫と安心できるものをつくるといいでしょう。

 

視診

  • 新しく傷がないか、手術創はどこにどの大きさか
  • 熱感、腫脹、発赤の確認

 皮膚の色や手を当てて熱を確認したりなど

  • 姿勢を評価

 身体はランドマークで確認して対称か、円背や側彎などはないか

  • 筋の萎縮や軟部組織のアライメントや輪郭はどうか

 

運動検査

  • 運動時痛がある場合は、痛い動作を再現してもらい、どの動作のフェーズで、どこに、どのような、どのくらいの、どんな質の痛みがあるのかを確認します。
  • 整形外科的テストなどで関節周囲の軟部組織に力学的ストレスを与えて、どのストレスでどこに痛みがでるのか確認します。
  • なるべく左右とも同じことをしてみたほうがいいでしょう

 

自動運動検査

・筋力と、関節可動域の確認

 

他動運動検査

・関節可動域は正常化、過剰か、制限されているか

・抵抗感はどの組織から感じるか

・最終域感

 スパズム様で痛みを伴うか、通常では制限されない角度で関節包性か骨性で制限されるかなど

 

触診

・問診や運動検査で痛みの部位に当たりをつけて最終決定するために行います。

・その部位の性状、放散痛、関連痛の有無、tinel singを確認します。

 

参考図書・教科書