TUGテストの意義と目的、測定方法、カットオフ値を紹介

Time up and Goテスト(TUG)とは

1986年にMathiasらによって高齢者のバランス能力を評価できるように「Get up and Go」テストが開発され、その後にPodsiadloらによって現在のTUGが考案されました。

 

TUGは下肢の筋力やバランスm歩行能力、転倒リスクとの関連性が高いとされており、様々な研究も報告されています。

現在では、通所・訪問リハビリテーション計画書で「6MD」もしくは「TUG」のどちらかを測定する必要があるため、介護現場においても重要視されるようになってきました。

TUGの実際の測定方法

準備する物

・椅子

※椅子に深く腰掛けても両足底がしっかり地面につく高さ

※再測定したときに浅く腰掛けるとかにならないように

・ストップウォッチ

・コーン(四点杖などなどで代用も加、回る目印となるもの)

・メジャー(距離を測るため)

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TUGテストの測定方法

➀  開始肢位は背もたれに軽くもたれかけ、手は大腿部の上に置いた姿勢とします。 その際、両足が床に着くように配慮します。

➁ 椅子から立ち上がり、3m先の目印を回って、再び椅子に座るまでの時間を測定します。0m地点は椅子の前脚とし、3m地点はコーンの中心とします。

➂ 測定者の掛け声に従い、一連の動作を「通常の歩行速度」と「最大の歩行速度」 で 1 回ずつ(計2回)行ってもらいます。

➃  E-SAS に用いるのは「最大の歩行速度」での値とします。

➄  測定者は対象者の身体の一部が動き出すときからお尻が接地するまでの時間を 計測します。

➅ コーンの回り方は対象者の自由とします。 右回りでも左回りでもどちらでもいいです。

 ※再測定時も同じ方向に回るようにしないと前回の値を参考にしづらいので注意

➇  日常生活において歩行補助具を使用している場合には、そのまま使用します

➈  椅子については、オリジナルは肘掛タイプですが、肘掛が無くてもいいです。

 

TUGテスト測定時の注意点

以下に検査実施時の注意点を挙げたので、確認してみてください。

・最大の歩行速度を測定する場合は、走らないように注意する。

※もしも走ったと判断した場合は、測定を中止し、再度測定を行うこと

 

・3m先のコーンを回る時に転倒に注意する。

 

・歩行にふらつきがある対象者の場合は、転倒に配慮するため測定者が横に寄り添う。

 ※真横か斜め後ろにいるようにする。介助者が対象者よりも前にいると追いつこうとするなどで、自分の歩行速度とは違うものになる可能性があるため

 

・椅子に座る時に勢いよく座ったり、転落・転倒しないように注意する。

 

 

・数日後に再度TUG評価を行う場合に、測定条件が異ならないように注意する。

※同じ椅子を使う、同じ場所で行う(人通りが多かったりすると検査に集中できないなど)

 

・椅子に座った開始姿勢は椅子に深く腰掛ける(浅く座ったりしないように)

TUGテストにおけるカットオフ値

Podsiadloらの報告では

神経学的に問題のない健常高齢者では 10 秒以内に可能

20 秒以内であれば屋内 ADL 自立・外出可能

30 秒以上であれば起居動作やADL に介助を要する

と報告しています

 

Shumway-Cookは

転倒予測のカットオフとして13.5秒としています。

 

日本整形外科学会は

運動器不安定症を判断する基準として、TUGテストのカットオフ値を「11秒以上」としています。

 

なぜTUGでは最大の歩行速度を測定するのか

歩く速度というのはその日の気持ちや気分で変化することが多くあります。気分がいい日は歩くのが速いでしょうし、上司に怒られたり、彼女に振られたときなんかはトボトボとゆっくりした速度になるでしょう。

それでは再測定をしたときに、楽な速度で歩いたときに正確に再現性をとれないことが考えられます。

そこで最大歩行速度で計測しておくと、前回の値を参考にして結果を考察できます。

最大歩行速度でのカットオフ値

8.5秒以上では約 20%が転倒経験者という報告があるようです。

 

 

TUGテストの結果をどのように活かすか

TUGでは

立ち上がって→歩き→方向転換して→歩いて→座る

という日常生活を送る上で一日に何十回も行う動作をみることができます。

速度という結果だけではなく、複合的な動作をしているところを観察して、転倒につながりそうな動作などが見えてきます。

 

定期的に測定しておくことで、リハビリの効果判定などの指標にしてもいいでしょう。数字で見れるので客観的にどうなっているのかがわかりやすいです。

 

介護予防教室などでは、最初の評価として取り入れていることが多く、転倒リスクをスクリーニングできます

そこで結果が思わしくない人には、個別的に細かく評価をして、個別的な転倒予防プログラムを組むとかにも活用できるのではないでしょうか。

 




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