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ローテーターカフ(回旋筋腱板)とは?
肩甲骨の外側から上腕骨に付着する棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょくかきん)、小円筋(しょうえんきん)、肩甲下筋(けんこうかきん)の総称。腱板または回旋筋腱板とも呼ばれる。
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腱板筋群をトレーニングしなければならない理由
肩関節における腱板筋群、いわゆるローテーターカフ(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)は、肩関節の安定化機構として上腕骨頭を関節窩に引きつける役割を果たします。
肩関節におけるインナーマッスルと捉えると理解しやすいでしょう。
ローテーターカフの働きにより、肩関節周囲筋で生み出された力のベクトルは関節窩の中心に向けられ、骨頭の安定した支点が作り出されます。この機能に不具合が生じると、骨頭の求心位を保つことが難しくなります。
したがって、肩関節を効率的に動かすためには、ローテーターカフの十分な機能を維持することが必要です。
そのため、五十肩で痛みを訴えている人、腱板の手術後の人、部分断裂によって腱板が脆弱になっている人も含めて、残存している腱板筋を鍛えることが重要です。
腱板筋群(ローテーターカフ)の効果的な筋トレ角度
棘上筋トレーニングで効果的な肢位
挙上0〜40°の範囲で筋力トレーニングを行うと良いのは、棘上筋と三角筋のモーメントアームの特性に基づいています。
棘上筋の前部・後部線維は、この角度での挙上方向のモーメントアームが大きく、効果的に働きます。
一方、代償的に働く三角筋のモーメントアームは同じ角度では小さいため、棘上筋が優位に活躍できるのです。
棘下筋トレーニングで効果的な肢位
棘下筋の外旋方向のモーメントアームは、横走線維、斜走線維ともに肩関節外転位で大きいことが示されています。
そのため、棘下筋の筋力エクササイズは肩関節外転位で行うと効果的です。
さらに、最大等尺性収縮の40%以下で行うことで、三角筋と大胸筋の筋収縮を抑え、選択的に棘下筋の収縮を得られます。
特に、肩関節外旋に内転を伴わせることで、三角筋の収縮を抑制しながら棘下筋のトレーニングが可能です。
このように、棘下筋の筋力エクササイズは肩関節外転位で、最大等尺性収縮の40%以下の負荷で行い、さらに肩関節外旋に内転を加えることで、効果的なトレーニングが実現できます。
肩甲下筋トレーニングで効果的な肢位
肩甲下筋は、肩関節屈曲位で30~120°の挙上角度で全ての線維が内旋方向にモーメントアームを有しています。
しかし、肩関節外転位では、外転120°のときに上部・中部線維の内旋モーメントアームが小さいため、小さい挙上角度で内旋方向への筋力トレーニングを行うと良いです。
また、belly press testは、大胸筋や広背筋の収縮を抑え、選択的に肩甲下筋の上部・下部線維の収縮を得られるため、トレーニングに応用するのも効果的です。