リハビリが知っておきたい血液検査データの話!

採血

血液検査のデータから患者さんの状態を把握しよう

患者さんの状態を知るためのデータとして血圧や脈拍、SpO2、表情、体温などなど様々な情報があります。

しかし、その状態を裏付けるものとして血液データを知る必要があります。

見た目は元気そうでも内科的にはリハビリの負荷に耐えられない状態かもしれないですし、リハビリによって状態を悪化させてしまう可能性もあります。ガイドラインや病院ごとでリハビリ中止基準があるので、該当していないか確認しましょう。

簡単にリハビリを実施するうえで知っておきたい血液データをまとめました。

ヘモグロビン(Hb)で貧血の状態の確認

基準値:男13.8~16.6g/dl

    女11.3~15.5g/dl

ヘモグロビンは赤血球の多くを占めています。赤血球を通じて体中に酸素を運搬するのが大きな役割です。

急激に値が低下している場合は出血性のものでないかを確認する必要があります。

値が低下している場合は貧血やめまい、息切れ、頻脈がないかの確認をしながらリハを行います。

若い女性は貧血が多い印象がありますが、それは生理の影響で出血しているため鉄分が不足しているためとされます。

 

C反応性蛋白(CRP)、白血球(WBC)で炎症の確認

●C反応性蛋白(CRP)

基準値:0.3mg/dl以下

CRPとは、体内での炎症時や組織が破壊されたときに血中に増加するタンパク質であり、炎症マーカーとして指標にされます。

感染症や肺炎、胃炎などの検査の際に行なわれますが、炎症の程度を判別できますが、部位は判別できません。

●白血球(WBC)

基準値:5000~8000/μl

白血球は、体の免疫を担っており、感染症や炎症の際に増加します。

白血球は好酸球、好塩基球、単球、リンパ球と種類があり、増加している白血球の種類からウイルス感染なのかアレルギーなのかなどの判別もできるそうです。

白血球の数値が基準値より高い場合

炎症、肺炎、虫垂炎、白血病などを疑います。

白血球の数値が基準値より低い場合

膠原病、再生不良性の貧血、ウイルス感染、HIV(エイズ)、悪性貧血、敗血症などを疑います。

アルブミン(Alb)で栄養状態の確認

基準値:3.8~5.3g/dl

アルブミンは、血中総たんぱくの約67%を占めるたんぱく質です。
血液中のさまざまな物質の運搬や、浸透圧の調整をする働きをします。

回復期リハビリ病棟においてこのアルブミンの値が低い患者さんは多くいます

アルブミンの値が低下している場合は、食事量の不足、摂取カロリーの不足などが考えられ、その状態でリハビリをすると骨格筋を分解してアルブミンの濃度を上昇させようとするため、リハビリの負荷量に注意が必要です。

また、アルブミンは肝臓で生合成されているため、肝機能の状態を数値が反映します。

クレアチニン(Cr)、推定糸球体濾過量(eGFR)で腎機能の確認

慢性腎臓病を合併した心疾患患者は腎機能が悪化すると予後が悪いとされています。

また、非透析者でクレアチニンの値が2.5mg/dlの場合はリハビリの中止を検討します。

●クレアチニン(Cr)

基準値:男0.6~1.2mg/dl

    女0.4~0.9mg/dl

クレアチニンは筋肉内で合成され、血中に排出されます。その腎臓の糸球体でろ過されて尿中へ排泄されます。

血中のクレアチニン濃度が高いと糸球体で濾過されていないことがわかり、腎機能に障害があることがわかります。

●推定糸球体濾過量(eGFR)

基準値:60ml/分/1.73m²

 

GOTGPTで肝機能の確認

4桁でリハビリの中止を検討します。

●GOT

基準値:40IU/L未満

GOTは肝臓、心筋、骨格筋に多く含まれており、これらの細胞が破壊された場合に血液中に流出し、血液中のGOTの値が上昇します。

GOT濃度が高値の場合

・各種肝臓機能障害
・急性心筋梗塞
・筋炎
・筋ジストロフィー

●GPT

基準値:40IU/L未満

GPTは肝細胞に多く含まれており、肝細胞が破壊された場合に血液中に流出し、血液中のGPTの値が上昇します。

GPTが高値の場合

・各種臓機能障害

脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)で心不全の確認

基準値:18.4pg/ml

BNPは心臓から分泌されるホルモンであり、心筋梗塞や心不全などの際に心臓から血中に分泌される。

心不全の重症度の指標であり、

40~100:軽度心不全

100以上:治療が必要な心不全

200以上:予後が悪い

4桁:重傷であり、移植を検討

 

NaKで脱水や腎機能の確認

●Na

基準値:135~150mEq/l

ナトリウムは、血中の陽イオンの約90%を占める電解質成分です。

体内の水分の保持や浸透圧の調整をする役割があります。

低Na血症は心不全の低灌流所見であり、注意が必要です。

Naが高値の場合
下痢や嘔吐、多量の発汗などで体の水分が失われると、Na濃度が上昇します。

嘔吐、下痢、高カルシウム血症、クッシング症候群

 

低値の場合
腎不全などで尿量が減少することで、体内の水分が多い状態となり、Naの濃度が薄くなります。

腎不全、ネフローゼ症候群、肝硬変、妊娠中毒症

●K

基準値:3.6~5.2 mEq/l

カリウムはNaと同様に陽イオンの一種であり、心筋の働きや神経の興奮の働きに必要な電解質成分です。

高K血症は、心室性の致死性不整脈を誘発する危険があるので注意が必要です。

Kが高値の場合
下痢や嘔吐、多量の発汗などで体内の水分が失われると、血中のK濃度が上昇します。

・代謝性アシドーシス
・アジソン病
・低アルドステロン症

Kが低値の場合
腎不全などにより、尿量が減少すると、体内の水分が多い状態であり、血中のK濃度は薄くなります。

・代謝性アルカローシス
・嘔吐
・原発性アルドステロン症
・クッシング症候群