平成33年からの生涯学習制度に現行の新人研修プログラムが研修理学療法士プログラムに名前を変え、内容も大幅にボリュームアップされて施行されるようです。今回は研修理学療法士プログラムがどういったものなのか解説していきます。
新人教育プログラムの進化版?研修理学療法士プログラムとは
研修理学療法士プログラムとは、
JPTA NEWS No.310から引用すると、
理学療法士として、最低限必要な態度面、知識技術面、管理面での能力を備えることを目標に現行の新人教育プログラムの時間数と内容を見直したものである
としています。
だいぶ見直したなと思いましたが(笑)
名称が新人教育プログラムから研修理学療法士プログラムに変更されていますが、
これは理学療法士になって数年経過してから新人教育プログラムを履修しようとなったときに、「新人」という言葉が入っているので、それが弊害になっているという声が士会に寄せられていたそうです。
医者も医大を卒業後2年間は研修医という名称なので、そこから参考にしたようです。
"
新生涯学習制度の研修理学療法士プログラムの内容
研修理学療法士プログラムの具体的な内容としては以下のようになります。
研修理学療法士プログラムの特徴としては
- 13時間⇒91.5時間
この91.5時間は座学43.5時間 + OJT(臨床研修)48時間
- 座学はすべての講義はe-learningで受講可能
- 現行の新プロでは1年で修了可能⇒最低でも2年間
- OJTは原則は自施設での研修となり、困難な場合は他の施設で研修する
- すべての講座は無料
受講時間がいままでの新プロでは13時間だったのに対し、約7倍の91.5時間に大幅に増加しています。
この内のおよそ半分の43.5時間は座学であり、遠方に住んでいて会場まで来れない参加者もいることを考慮し、座学はすべてe-learningでの受講が可能となっています。
これはうれしいところですね。
隙間時間で座学部分は修了することができるので負担が少なくなります。
OJT(臨床研修)については、48時間の研修時間が設けられており、原則的に自施設での研修になるようです。一人職場であったり、指導者がいないという場合は外部の施設にて研修を行えるように仕組みを作っていくそうです。
OJTの内訳はE-1とE-2に分かれており、E-1は8時間で指導者の監督の下理学療法が行えることを目指すもので、E-2は40時間で独力での理学療法が行えることを目指すことと表からは読み取れます。
ということはE-1に関しては、指導者と一緒にハンドリングなどで治療を進めていき、
E-2に関しては指導者は見てるけど、ほとんどの治療を一人で行うということなるのでしょうか。
新生涯学習制度の記事はこちら
研修理学療法プログラムの疑問
研修理学療法プログラムでは「OJT」という臨床研修の時間が48時間あります。
このOJTは「on the job training」と英語で表記し、上司が後輩に仕事を与えてその仕事をとおしてトレーニングしていくというものです。
原則は自施設でやるというのはいいとして、
・だれがその責任者になるのか?
・認定理学療法士を取得してる人が指導者?
・内容は?
・休日にやる?
・仕事おわり?
・回復期リハのような365日で働いている場合は?
など謎が多いです。
職場の新人教育に理学療法士協会が関与して統一した新人教育を行っていこうという意図もあるのかもしれません。
このOJTを行うことは良いことだと思います。ですがまだまだ謎が多いのでなんともいえないのが現状です。
とにかくこれだけは言えることは
平成33年になる前に新人教育プログラムは修了しておこうということです!!
現行の新プロを修了していれば研修理学療法士プログラムは免除になるのかはまだわからないですが、
そうしないと「新プロを修了した意味がないじゃないか」ともなるので、おそらくは現行の新プロを修了しておけば大丈夫なのかなと思っておきます。
JPTA NEWS No.309でも「会員の不利益を最小限に抑えるように、次年度より新人教育プログラムの開講日を増やすなどの配慮を計画していただきたい。」
と記してあるので、この解釈で良いと思います。
"まとめ
平成33年から大幅に時間が増加しますが、研修理学療法士プログラムは無料であることから時間的な負担はあるかもしれませんが、座学はe-learningで受講できますし、基本は自施設でのOJTになるのでそこまで
「負担がメッチャ多いから無理」
とはならないのかなと思います。ですが、いま新プロが修了していない人は平成33年までにおわらせておきましょう。