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TKAのインプラントに種類があることを知っていましたか?
私は知らなかったです。。
TKAの患者さんのレントゲンを見て初めて、脛骨側のインプラントに突起がついていて、それで種類があることに気づきました。
そこで今回は、TKAのインプラントごとの特徴を調べたので書いていきます。
変形性膝関節症の記事はこちら
人工膝関節置換術(TKA)とは
人工膝関節置換術は、「変形性膝関節症」や「関節リウマチ」などの疾患によって、
破壊され変形した膝関節の痛みのために歩く事や、日常生活に大きな支障を来たす患者さんに対して行われる手術です。
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人工膝関節置換術(TKA)のインプラントの種類
その種類には大きく分けて、
・PS型(PCL切除型)
・CR型(PCL温存型)
の2つになります。
CS型などもありますが、TKA全体で10%のシェアなので大きくは2つでしょう。
PS型(半制御型)
PS型では、PCL(後十字靭帯)を切除して、人工物で後方への安定性を制御します。
膝関節を屈曲するにつれて大腿骨コンポーネントの溝(cam)がインサートの突起(post)と接触し、
カムがポストに誘導されて、人工的なロールバック(roll back)運動が誘発される仕組みになっています。
それによって膝の屈伸時に脛骨が過剰な後方移動を起こさないようにしています。
重症度が高く、すでに後十字靭帯が変性してしまっている型などが適応になります。
【メリット】
・手術手技の依存が少ない。
・関節可動域も安定していると言われる。
【デメリット】
・ポストの磨耗や破損
・膝立ちではポストが破損する危険が高い
ポストの破損などの可能性から140°以上の屈曲は禁忌で、おおよそ120°程度が目安となります。
CR型(非制御型)
PS型とは対照的に、CR型ではPCLを残存させます。
そのため、PCLが後方安定性に寄与します。
【メリット】
・より生体の動きに近い運動(PCL残存によるロールバックや回旋が可能なのでスクリューホームムーブメントなど)が可能
・PCL残存による固有受容器への寄与
デメリットはあまりなさそうですが、
PCLの機能不全から脛骨の後方すべりが報告されたり、ロールバックが必ずしも再現されないことが指摘されています。
最近では、正座が行えるタイプのものも存在するようです。
人工膝関節置換術(TKA)とインプラントのまとめ
今回は、全人工膝関節置換術(TKA)のインプラントの種類について解説しました。
おおよそですが、
PS型が60% CR型が30% CS型が10%
程度のシェアとなっています。
PS型が多く選択されていますが、その理由としてはPSのほうが術野の展開、
靭帯バランスの調整が比較的容易である点、CRとの可動域の比較や残存PCL機能に関して否定的なデータが報告されていることから、
PSのほうがより再現性のある術後キネマティクスが獲得できると思われているからです。
しかし、現在までの長期成績の明確な差は報告されていないのも現実です。
インプラントの種類によるリハビリのアプローチの仕方は大きくは変わらない(CR型ではスクリュホームムーブメントを考慮した可動域訓練は必要)とは思われます。
しかし、先ほど述べたように、PS型では膝をつくなどはインプラントの破損の原因になるので、ADL動作練習などにおいて、考慮されるべきなのではないでしょうか?