理学療法士の給料が低い3つの理由



理学療法士は昔は給料が高いと言われてきましたが、現在ではどうでしょう?昇給も少ないし、基本給が減っている職場をでてきています。給料は昔と違い低い時代に突入しています。

ではなぜ低くなっているのでしょうか。

原因を考えてみましょう。

理学療法士の給料は経験や治療技術の高低が関係ない

理学療法士の給料は経験年数での差は正直あんまりないように感じます。

なぜそうなってしまうのでしょうか。

リハビリの売り上げは診療報酬によって決められており、1単位で何円と定められています。

しかも、美容室みたいに指名料があるわけでもなく、新人でもベテランでも1単位20分のリハビリで売り上げるお金は決まっています。さらに上限単位数も決まっているため、一日、いや月、いや年間でみても一人のセラピストが売り上げるお金はおおよそ差はなく、変動しにくいのです。

 

一人のセラピストの売り上げが経験年数に関係しないためなのか、それが年間の昇給額の少なさにつながっていることが予想できます。

初任給は同学年の一般企業に努めた人より高かったですが、それは昇給が少ないため初任給を高く設定できている理由かもしれません。

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名称独占は割りを食う

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は名称独占の資格であり、資格を持っていない人がリハビリ業務を行っても違法でないということになります。もちろん資格がないと診療報酬を算定できないわけですが。

医師はと看護師は業務独占であり、その資格を持っていないと業務してはいけません。注射とかです。

下手すると人体に悪影響をおよぼす可能性があるからだと思いますが。

 

リハビリ業務であれば無資格者がマッサージやROMexを行っても人体に悪影響をおよぼすということはよっぽどでない限りないと思われるので、名称独占になっているかもしれません。

 

この名称独占のため理学療法士は柔道整復師や按摩マッサージ士さんなどとの専門性の違いを見出しにくい分野になります。

同じく、マッサージをするし関節可動域訓練をするし、一般の人からすると何も違いがないと思われるでしょう。

そのため職域は拡大ができず、病院や施設でのリハビリ業務からなかなか広がらずにそれ以外の報酬を得る手段が少ないのです。

現在では介護予防分野での理学療法士の活躍が国から期待されその分野での職域が広がりをみせていくことが予想されますが、まだ時間はかかるかもしれません。

理学療法士の人数が増えすぎ

理学療法士に限らず、給料は需要と供給のバランスで成り立っています。需要が多ければ、一個の単価は高くても売れるし、供給が多ければ、一個の単価は安くないと買ってくれません。

現在の理学療法士の人数は年間に1万人ちょっとずつ新しく増加していっている現状です。高齢化社会でまだ微妙に需要が供給を上回っているかもしれませんが、理学療法士まだ定年で退職する人は少なく、いずれ供給が需要を上回るでしょう。活躍する場所は狭まられ、収入減っていきます。

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診療報酬は上がることはなさそう

それよりもなによりも懸念すべきは診療報酬の改定で1単位の点数が下がることです。理学療法士1人あたりの1日の売り上げが下がるのです。高齢化社会で高齢者が増えている現在、医療・福祉・介護にかかる費用は年々増えており、国の財政を圧迫しています。国はこの社会保障費を削減するために、介護予防に力を入れていますが、診療報酬もマイナスに改定される日も近いのではないでしょうか。

おわりに

なにごとも原因がわからなければ対策のしようがないというのが世の中ではないでしょうか。

経験や実績がるのなら、自分でセミナー開いちゃうとか、診療報酬が減るのなら、診療報酬ではない方法で収入を得るとかなかなか難しいかもしれませんが、増やす手段はあると思います。

アクションを起こさないとなにも変わらないので、アクションを一緒に起こしていきたいですね。