特別養護老人ホーム(特養)って?メリットや対象者、基準をまとめました



特別養護老人とは略して「特養」と呼ばれており、要介護度が高く、自宅での介護が困難な方を対象にした施設になります。

今回は、特別養護老人ホームがどういったところか、特徴やサービス内容などをまとめてみました。

特別養護老人ホーム(特養)とは?

特別養護老人ホームとは、寝たきり状態など重度の介護を必要とする要介護者が、比較的少ない費用負担で介護サービスを受けることができる施設です。社会福祉法人や地方自治体などにより運営される公的な介護施設です。

特別養護老人ホームは、要介護3以上の常時介護を必要とする方に24時間介護サービスを提供し、ほかの介護保険施設と比べ、長期的(終身的)に入所できることが大きな特徴です。しかし、費用が安く長期的に入所できるため人気が高く、待期期間がとても長く、すぐに入所できないのが現状です。

特養と老健は間違えやすいです。老健を解説した記事はこちらです👇

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特別養護老人ホーム(特養)のメリット・デメリット

入所対象者が要介護3以上の方であり、人員配置として看護師が3人、介護士が31人と義務づけられており、ほかの介護保険施設と比べると介護士の人数が多くなっています。介護保険法の定義では「要介護者に対して施設介護サービス計画に基づいた入浴・排泄・食事などの日常生活状の介護、機能訓練、健康管理、用養生の世話を行う施設」とあり、介護的ケアに重点が置かれていることが大きな特徴でありメリットでしょう。

しかし、医師・看護師の配置が少ないので医療的ケア(胃瘻、点滴、人工呼吸器など)が必要な場合は入所を断られることもあります。

 

メリット

・24時間体制で介護サービスを受けることができる

・長期入所が可能

・入居一時金が不要で、利用料も安い

 

デメリット

・医療処置は限定的

・入居対象が限定的(要介護3~5)

・入居までの待機期間が長い

特別養護老人ホーム(特養)の入所基準・対象者

特別養護老人ホームの入所対象者は、原則、要介護度3以上の65歳以上の高齢者という基本条件のほか、「病状が安定している」「長期入院を必要としない」「感染症などの疾患がない」「医療的ケア(点滴、胃瘻、人工呼吸器など)が必要ない」

※医療的ケアのその特養によってどの程度までの医療ケアなら入所できるか差があります。

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特別養護老人ホーム(特養)人員配置基準

入所定員100名あたり

医師(非常勤可)1人 看護職員3人(夜勤帯の配置義務はない) 介護職員31人 介護支援専門員1人 その他 生活指導員 等

その他

・待機

特養は、ほかの施設に比べて費用負担が少なく、終身的に入所できるため、入所希望者が多く、入所の申請から入所までに長い時間がかかってしまいます。平均在所日数が約4年と長いため、なかなか空きがでず、都市部では満室の施設がほとんどです。しかも厚生労働省や地方自治体は財源不足のために、特別養護老人ホームの新設を制限しています。2014年度の発表では、全国で52万人以上が待機しており※、入所まで通常、数か月から数年程度の期間を要するといわれています。