小規模多機能型居宅介護とは
小規模多機能型居宅介護は、介護保険サービスのなかの「地域密着型サービス」に位置づけられます。
「通所サービス」、「短期入所」、「訪問サービス」を1つの事業所が提供するサービスです。
利用者は1つの小規模多機能型居宅介護の事業所に契約・登録すると、それぞれのサービスを必要に応じて利用できます。
通所介護サービスを中心に利用しながら、必要に応じてショートステイ、訪問介護を利用する場合が多いでしょう。
ケアマネージャーは、小規模多機能型居宅介護の事業所に所属している者が担当することになり、ケアプランの作成からサービスの提供まで同一の事業所で行えます。
"
小規模多機能型居宅介護のメリット・デメリット
メリット
・担当のケアマネージャーは小規模多機能型居宅介護の事業所に所属しているため、連絡の手間が省け、また返事も早い
・必要に応じて通所サービス、短期入所、訪問介護のサービスを臨機応変に使い分けれるため、毎回ケアプランを作り直さなくてもよい
・利用料金は月額で定額のため、毎月の介護費用の計算がしやすく、膨らみすぎない
・定員人数が少なく、大勢の人と関わることが苦手な方でも利用しやすい
・同一事業所での通い、訪問、泊りのサービスが提供されるため、顔なじみのスタッフに対応してもらうことができ、利用者の心身の状態や家庭状況などを把握してもらいやすい
小規模多機能型居宅介護のデメリット
・一部のサービスに不満があってもそこだけの変更はできない。たとえば「デイサービスは良いけどショートステイに不満」などの場合でも、短期入所だけ他の事業所を利用するなどはできない。
・定員が少ないため、他の利用者やスタッフと関係が悪くなると逃げ場がない
・小規模多機能型居宅介護事業所のケアマネージャーが担当になるため、今まで担当していたケアマネージャーとの関係が切れる
・小規模多機能型居宅介護事業所と契約するため、今まで利用していた他の事業所の介護保険サービスが利用できなくなる
・利用料は1ヶ月の定額制のため、サービスをあまり利用しない場合は割高である
・短期入所、通所サービスの利用定員が少なく、定員いっぱいで必要な時に利用できない可能性もある
小規模多機能型居宅介護の対象者
要支援1・2、要介護1~5の認定を受けている方
要介護認定のために申請と認定調査を受ける必要があります。それらの解説はこちら
『介護保険は40歳以上65歳未満でも申請可能?特定疾病の詳しい病名を解説』
"利用定員
小規模多機能型居宅介護は「通所サービス」「短期入所」「訪問介護」のサービスを提供していますが、
このうち「通所サービス」と「短期入所」については利用定員を定めることになっています。
小規模多機能型居宅介護の登録定員
29人以下まで
※平成27年から29人以下まで増やせるようになりました。それまでは25人以下とされていました。
通所サービスの利用定員
登録定員の2分の1から15人までの間
登録定員が25人の事業所であれば、利用定員25人の2分の1=12.5人から15人までの間なので13人、14人、あるいは15人と定員を定めます。
通所介護(デイサービス)の記事はこちら
短期入所の利用定員
通所サービスの利用定員の3分の1から9人までの間
通所サービスの利用定員を15人としている事業所では、
15人の3分の1=5人から9人までの間なので5~9人と定員を定めます。
ショートステイの記事はこちら
小規模多機能型居宅介護の費用・料金の目安
札幌市city of Sapporo から引用 ()は利用者負担額(1割の場合)
小規模多機能型居宅介護 利用者の希望などにより、通いを中心に訪問や泊まりのサービスが受けられます。 |
要支援1、要支援2の方が市内 の事業所を利用できます。 |
要介護1~要介護5の方が市内 の事業所を利用できます。 |
||
サービス費用のめやす(1月につき) |
サービス費用のめやす(1月につき) |
|||
要支援1 |
34,608円(3,461円) |
要介護1 |
104,954円(10,496円) |
|
要支援2 |
69,939円(6,994円) |
要介護2 |
154,248円(15,425円) |
|
要介護3 |
224,370円(22,437円) |
|||
要介護4 |
247,639円(24,764円) |
|||
要介護5 |
273,054円(27,306円) |
|||
複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護) 上記の小規模多機能型居宅介護に、訪問看護を組み合わせたサービスが受けられます。 |
要介護1~要介護5の方が市内の事業所を利用できます。 |
|||
サービス費用のめやす(1月つき) |
||||
要介護1 |
125,507円(12,551円) |
|||
要介護2 |
175,615円(17,562円) |
|||
要介護3 |
246,866円(24,687円) |
|||
要介護4 |
279,990円(27,999円) |
|||
要介護5 |
316,703円(31,671円) |
人員配置基準
介護、看護職員
〈昼間〉
訪問介護職員⇒常勤換算で1人以上配置すること。
通所介護職員⇒常勤換算で通所介護利用者数が3人又はその端数を増す毎に1人以上配置すること。 (原則として、看護師又は准看護師1人以上の配置が必要です。)
〈夜間・深夜〉
時間帯を通じて、交替勤務者2人(このうち1人は宿直勤務者でも可)以上配置すること。 ※指定基準上では、ショートステイ利用者が0人の日は、宿直勤務者1人の配置で良いことになっていますが、職員に宿直勤務をさせる為には所轄の労働基準監督署の許可が別途必要です。
常勤管理者
専ら管理の職務に従事する常勤管理者を配置すること。
※介護業務従事経験者又は介護事業経営経験者で、厚生労働省指定の研修受講者であることが条件です。
※管理上の支障が無い場合は、同一事業所内の他の職務、又は同一敷地内の他の事業所の職務との兼務が認められます。
計画作成担当者
介護支援専門員(ケアマネージャー)を配置すること。
※厚生労働省指定の研修受講者であることが条件です。
※他の職務との兼務でも可です。
代表者
介護業務従事経験者又は介護事業経営経験者で、厚生労働省指定の研修受講者であること。
利用できる外部サービス
・訪問看護
・訪問リハビリ
・福祉用具 ・居宅療養管理指導
この場合、介護保険限度額に注意が必要です。小規模多機能型居宅介護の月額利用料を払うと、残りで使える分が少なくなります。福祉用具をたくさん借りると限度額を超えることもあります。
『介護保険での福祉用具のレンタルと購入~対象の用具と自己負担割合』