介護療養型医療施設って?メリットや対象者、基準をまとめました



介護療養型医療施設とは、医療的ケアが必要な要介護者に対して、日常生活上の介護や医療を行う施設になります。

今回は、介護療養型医療施設がどういったところか、特徴やサービス内容などをまとめてみました。

介護療養型医療施設とは?

介護療養型医療施設とは、医学的ケアが必要で自宅での療養生活が難しい高齢者が、

医療と介護の両方のサービスを受けることができる長期療養型の施設です。

 

介護療養型医療施設は、ほかの介護保険施設と比べると、特に医療や看護に重点をおいた施設で、寝たきりなど介護度の高い方が多く入所しています。

 

また、長期的に医学的ケア(点滴、胃瘻、人工呼吸器など)が必要な方が対象であるため、医学的ケアが必要なくなると“特養”のように終身的に入所できなくなります。

 

しかし、治療の必要がないのに、家庭の事情などで病院で生活する「社会的入院」が問題となっており、国は徐々に介護療養型医療施設を減らす方針を打ち出しています。

 

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介護療養型医療施設のメリット・デメリット

長期間入所することができる介護療養型医療施設は、

他の介護老人保健施設や特別養護老人ホームと比べて医療体制の充実がなによりもの特徴です。

 

医療施設は国の指定する施設区分としては、介護療養型「病院」として位置づけられています。

 

そのため、100床あたりの人員配置は医師が3人、看護職員が17人、介護職員が17人と介護保険3施設のうち最も医師の配置人数が多い施設となっており、医療ケアが必要な方にとっては安心できる体制と言えます。

 

何と言っても介護療養型医療施設のメリットは、医療ケアの充実です。

 

医師は入所者100人に対して3人配置され、最低1名は常駐ですし、病院に併設されていることも多いですから、

胃ろうやカテーテル、インスリン治療、たん吸引などの医療ケアが常時必要な方や寝たきりの方にとっては利用価値の高い施設です。

 

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メリット

・医療ケアが充実している

・利用料が比較的安い

・入居一時金が必要ない

 

デメリット

・入居難易度が高い

・多床室がほとんどでプライベートが確保されない

 

介護療養型医療施設の入所基準・対象者

介護療養型医療施設の入所対象者は、

医学的管理が必要な要介護1以上の高齢者(65歳以上)という基本条件のほか、「伝染病などの疾患がない」など。

ただし、60~65歳でも、「初期痴呆状態にある」などの場合には、認められます。

 

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介護療養型医療施設の受けられるサービス

介護療養型医療施設で提供されるサービスは、

医師による診療、医師や看護職員による療養上の医療ケアや看護、機能訓練指導員や生活相談員による回復期リハビリテーション、介護職員による介護などです。

 

痰の吸引、胃ろう、経鼻栄養、酸素吸入といった医学的管理下でのケアは充実している一方で、

掃除や洗濯、買い物やレクリエーションといった生活援助系サービスはあまり提供されていません

 

介護療養型医療施設の人員配置基準

入所定員100名あたり

医師3人 看護職員17人 介護職員17人 介護支援専門員1人 その他 薬剤師、栄養士等

 

その他

2012年から新設が認められなくなったため、介護療養型医療施設は数が減少しています。

そのため、定員が埋まっていることもありますが、半年ほどの待機で入所できることが多いそうです。

 

治療の必要がないのに、家庭の事情などで病院で生活する「社会的入院」が問題となっているため、

厚生労働省は、介護老人保健施設に転換させるなどにより、2011年までに介護療養型医療施設を廃止する方針を打ち出しておりました。

 

しかし、入居者の受け入れ先が見つからないなどの問題のため、現在は廃止期限を2020年まで延長しています。