注意障害の分類、責任病巣、リハビリ



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注意障害の「注意」とは?

注意という言葉だけではさまざまな意味があります。

気をつけること。気をくばること。「よく注意して観察する」「日々健康に注意する」

悪いことが起こらないように警戒すること。用心すること。「交通事故に注意する」

気をつけるように傍らから言うこと。忠告。「過ちを注意する」

ある一つの対象を選択し、認知・明瞭化しようと意識を集中する心的活動。同時に、その他のものは抑制・排斥される。

引用:goo辞書 https://dictionary.goo.ne.jp/

 

今回は高次脳機能の注意についてなので、この辞書の引用では4番目の意識を集中する心的行動にあたるでしょう。

 

私たちは普段生活しているときには意識的であれ無意識的であれ注意を働かせています。

・なにか一つの作業をするときはまわりの雑音や人が通ったりしても気にせず黙々とその作業を遂行する

・車の運転では、ハンドルやアクセル、ブレーキの操作だけだはなく、まわりの車の動きや信号などにも注意を払う

などのように生活する上で欠かせない機能です。

 

脳損傷後にはこの注意が障害されることが多く、仕事を含め日常生活の自立を大きく妨げる原因になります。

注意障害の臨床分類 

注意障害は大きく4つに分類されます。

・持続性注意障害

・選択性注意障害

・転換性注意障害

・配分性注意障害

にわけられます。

下記で一つずつ説明していきます。

持続性注意障害

持続性注意とは、注意が阻害されない静かな環境で、集中を持続して一定時間課題や作業が行うことに必要な能力です。

障害されると:

注意の変動が大きくなり、集中力が続かない。軽度の障害であれば、瞬間的な応答で課題が解決するもの、例えば会話などは問題なく行える。重度に障害されると、会話の内容ずれたり、思考がまとまらなくなります。

 

責任病巣:

右大脳半球前頭葉、右大脳半球皮質下、網様体・辺縁系(これは覚醒度合の影響か?)

 

選択性注意障害

選択性注意とは、人が通ったり、話声や物音が聞こえるようなガヤガヤした環境でも、これらを気にせずに課題に集中することができる能力です。

障害されると:

周りの物音に気をとられてキョロキョロしたりと、他の刺激に惑わされやすくなります。

責任病巣:

右大脳半球頭頂葉

転換性注意障害

転換性注意とは、複数の課題を交代に行うことで、必要に応じて取り組んでる課題から違う課題・刺激に注意を切り替える能力です。例えばパソコン作業をしているときに電話がかかってきたら、パソコン作業を中断して電話応答に注意を切り替え、電話が終わったら再度パソコン作業を再開するなどです。

 

障害されると:

いつまでも課題に応答し続けたり、関係の刺激にも応答してしまうなどの状態になります。

責任病巣:

右大脳半球頭頂葉

 

配分性注意障害

配分性注意とは、複数の課題を同時に遂行する能力です。例えば、パソコン作業をしながら電話がかかってきたら、パソコン作業を中断せずに電話応答も行うというものです。

障害されると:

複数の課題を同時に遂行することが困難になり、混乱して全く出来なくなることもあります。

責任病巣:

前頭葉(前頭前野) 

 

 転換性注意障害と半側空間無視の関係

半側空間無視では脳損傷側と反対側の空間に注意が向きづらくなる病態です。

言い方を換えると、脳損傷側と同側の空間に注意が強く向きやすくなり、反対側に注意を転換できないと言えます。

 

そのため、転換性注意障害の代表的な臨床像は半側空間無視ととらえることもできます。

注意障害のリハビリ

受傷してからまもない時期に訓練しようとしても、覚醒状態が悪いことも影響してくるので、覚醒が保たれるようになってから訓練を進めていきます。

 

訓練の配慮としては

・集中が阻害されないような静かな環境で課題を行い、徐々に他の人がいるような環境で課題を行う

・個人で行う課題から、徐々に複数人で行う課題にする

・単純な課題から徐々に複雑な課題に難易度をあげていく

・注意障害の分類にあわせた課題設定にする

 

具体的なリハビリとしては

  • パズル
  • まちがいさがし
  • 電卓計算
  • 辞書調べや電話帳調べなど
  • 校正作業
  • 集計作業

などが挙げられます。