天気が悪いと疼痛が強くなるのはなぜ?気圧や温度の関係とは

天候と疼痛には関係があるか

2004年に国内で実施されたアンケートの結果によると、一般生活者および慢性疾患患者(1168名)の約73%が実際に天候や季節変化で体調への影響を経験しているとの報告があります。

その他にも慢性疼痛に対する天候変化の影響についての国内外の報告をまとめてみると、気圧や気温、湿度の変化と降雨、雷、風が痛みの増強因子になっているようです。痛みが和らいでいる時の特徴としては、天気は晴れており風が穏やかというのがあります。疾患としては関節リウマチ、変形性関節症、線維筋痛症の報告例が多いです。

 

一方で天候変化と慢性疼痛の関係性に否定的な報告もあり、全体としては統計学的に有意性が見出せないものもあります。また、単なる思い込みや錯覚にすぎないとして、両者の因果関係に否定的な報告もあります。

気圧低下、気温低下と痛みの関係

日常起こりうる程度の気圧低下(大気圧から27hPaの減圧)の影響を観察した報告では低気圧に曝露すると関節痛モデルラットの痛み行動が出現し、また、天候変化でみられる気温低下の模擬環境として室温を22℃から15℃へ20~30分かけて7℃低下してその影響を観察したところ、気圧低下の効果と同様に、関節痛モデルラットの痛み行動が増強したと報告されています。

気圧低下、気温低下と循環系

 モデルラットにおいて天候変化の模擬環境が生理機能にも影響を及ぼす報告として、天候変化に相当する気圧低下あるいは気温低下によって、交感神経系の興奮を意味する血圧、心拍数の上昇が強弱の差はあるも出現しています。さらに別の実験系では、交感神経末端から分泌されるノルアドレナリンの血中濃度が気圧低下、気温低下それぞれ単独で上昇する現象を確認されています。

気圧低下、気温低下による疼痛増強のメカニズム

 気圧低下、気温低下はどちらも交感神経を緊張させると同時に副腎髄質からアドレナリンの分泌を亢進させます。交感神経の興奮とこのアドレナリンによって末梢血管が収縮し、組織内の虚血、酸素濃度の低下、pH低下などが発生します。慢性痛疾患では、患部の痛み情報を伝える痛覚線維は局所の病的な変化に対して感受性が高まっているため、これらの変化は痛覚線維の興奮を容易に引き起こすことになります。また、気温低下による慢性痛増強のメカニズムには、皮膚温低下が交感神経緊張を介さずに直接に皮膚の冷感覚神経の興奮を引き起こして、慢性痛を悪化させる経路も存在すると考えられています。

痛みの評価スケールについての記事はこちら👇

わたしたちが対応できることはあるのか

リハ室で行えるリスク管理として、気温は温度計などから情報を得ることができる為、リハ室の温度調節をしっかり行っていくことが、これらに対するリスク管理になるのではないでしょうか。日々変化する天候による疼痛増悪は避けられなくとも、痛みの増悪因子の中にある気温はコントロールすることが出来るため、リハ室内の温度調節は慢性痛軽減を図るにあたってとても重要であると考えられます




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