肩こり、首の痛みの原因は上位交差症候群!特徴的な姿勢と評価【ヤンダのマッスルインバランス】




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テレワークなどの慣れない環境でPC作業をしていると、首に違和感を感じることがあるかもしれません。

首は、頭の重みを常に支えながら前後左右に動くため、負担がかかりやすい部位です。

このため、首の痛みは日常生活にも大きな支障をきたすことが多く、悩んでいる人も少なくありません。

 

今回は、首に痛みや違和感を覚える原因と考えられる【上位交差症候群】についてご紹介します。

 

理想的な姿勢とは?

そもそも、理想的な姿勢とはどのようなものなのでしょうか?まずは正しい姿勢について学んでいきましょう。

理想的な姿勢は、耳たぶ→肩峰(肩の頂点)→大転子(骨盤の横)→膝蓋骨後面(膝のお皿の後ろ)→外顆のやや前方(外くるぶし)が一直線に並んでいる状態です。

この姿勢を保つことで、筋肉を効率よく使うことができ、身体の各関節に加わる負荷も最小限になります。

特に長時間同じ姿勢を取るデスクワーカーは、筋肉が硬くなりやすく、この正しいアライメントが崩れやすくなります。

 

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上位交差症候群とは?

【上位交差症候群】は、チェコのブラディミア・ヤンダ教授(Vladimir Janda 1923-2002)によって発表されました。

ヤンダ教授は、緊張して短縮しやすい筋肉グループと、伸ばされて筋力低下しやすい筋肉グループがX字にクロスした状態で存在し、筋肉バランスの機能障害が起こることを明らかにしました。

 

これは主に、横から見たときの首と肩のアンバランスを指します。

正常な状態では、肩の端にある骨の出っ張りと外耳(耳の穴)が地面に対して垂直に位置しています。

 

1.柔軟性が低下している(縮んでいる)筋肉  ⇒首の後ろの筋肉と肩の前や胸の筋肉

後頭下筋群(小後頭直筋、大後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋)、肩甲挙筋、僧帽筋上部、胸鎖乳突筋、 斜角筋、小胸筋、大胸筋 など 

 

 

 

 

2.筋力が低下している(使えていない)筋肉 ⇒首の前の深部の筋肉と背中の筋肉

頚部深筋群(頭長筋、頚長筋 など)、僧帽筋下部、前鋸筋 など

 

 

 

頭の重さはボーリング球ほど(約4〜5キロ)あり、それが正しい位置にないと、首の筋肉に過剰な負担がかかります。

この負担が、頭痛を引き起こしたり、背中や腕に痛みを生じさせる原因となります。

 

身体の上部でこれらの問題が交差するため、「上位交差症候群」と呼ばれています。

 

上位交差症候群の原因

原因①頭部前方偏位

上位交差症候群の原因の一つは頭部前方偏位(頭部前方突出姿勢:FHP, Forward Head Posture)です。

これは頭が正常な位置よりも前に出ている姿勢を指します。

正常な位置とは、外耳孔(耳の穴)と肩峰を結んだ線が一直線に並んでいる状態を指します。

この姿勢では、頭部を支える筋肉が最もバランスよく保たれています。

 

しかし、頭部前方偏位では、外耳孔が肩峰より前に突出します。

この姿勢は、ストレートネックや頚椎症、胸郭出口症候群の患者に多く見られ、肩こりや頭痛、手のしびれ、うつなどの原因となることが注目されています。

 

頭が前に出た姿勢になると、後頭骨や上位頚椎(第一頚椎、第二頚椎)は伸展状態(上を向いた状態)となり、中下位頚椎は屈曲状態(下を向いた状態)になります。

 

 

原因②円背

円背とは、背中(胸椎)が丸くなり、猫背になっている状態を指します。

円背になると、胸椎が後弯し背中が後方に下がります。

そのため、重心が後ろに下がり、バランスを取るために頭を前方に移動させる必要が生じます。

この結果、必ず頭部前方偏移が伴います。

したがって、円背と頭部前方偏移はセットで考えるべきです。