APDL・IADLとは?
IADLとは、手段的日常生活動作能力(Instrumental ADL)というもので、医療・福祉にとっては必要不可欠な評価となります。
IADLは、ADLよりも難しく高次な行いや活動を指します。
ADLと比べて、ものごとを考慮しながら実行しなければいけない行為がたくさんで、お買い物や洗濯、掃除というような家事一般や、電話する、金や服薬の管理、交通手段に乗り物を利用するなどが含まれます。
"
APDL・IADLのポイントとは?
IADLの行為はほとんどお年寄りにはある程度困難な動作となるだけではなく、
高次脳機能の問題も関係してくることからとりわけ金銭や服薬の管理などはADLみたいに現在は行えなくてもいずれできるという可能性は確立として低いと思われます。
よって、医療者やまた家族などが毎回観察して評価していくことが重要になってくると思います。
APDL・IADLの評価
IADLの評価尺度としては、Lawtonの尺度、Frenchay Activities Index(FAI)、老研式活動能力指標などが使われています。
ここではIADLの評価に多く使用されているLawtonの尺度と、近頃は、地域在住の年寄りの生活スタイルの評価に用いられているFAIについて解説していきます。
Lawtonの尺度
IADLの評価に一般的に使われる評価指標のことで、1969年にLawdonとBrodyによって考案されました。
8項目あり、それぞれをさらに3~5段階に区別して点数をつけていきます。
Lawtonの「手段的日常生活動作(IADL)尺度」には以下の8つ評価項目があります。
・電話使用
・買い物
・食事準備
・家屋維持
・洗濯
・乗り物利用
・服薬
・家計管理
LawtonのIADL評価尺度の採点
LawtonのIADL評価尺度では、8つの評価項目を3~5段階の選択肢の中から選び、その動作が「できる:1点」か「できない:0点」かで採点します。
IADLの評価は、その人の年齢・性別・生活スタイルなどによって採点が異なってしまうため対象者を決めています。
- 高齢者専用
- 女性は、8項目すべてに回答する
- 男性は、5項目(電話の使用・買い物・移動手段・服薬管理・財産管理)のみ回答する
Frenchay Activities Index(FAI)
FAIはHolbrookとSkllbeckにより考案され、1983年に新しく出た評価指標です。
元々は脳卒中のアウトカム指標として考案されました。
評価項目としては、
・食事の用意
・食事の片づけ
・洗濯
・掃除、整頓
・力仕事
・買い物
・外出
・屋外歩行
・趣味
・交通手段の利用
・旅行
・庭仕事
・家や車の手入れ
・読書
・勤労
の15項目で構築されていて、過去3か月間もしくは6か月間のあいだで項目の行為を実施した度合を問う方式となっているそうです。
回答は「0:していない」「1:週1回未満であるがしている」「2:週1~ 2回程度実施」「3:ほとんど毎日している」の中から1つを選択するやりかたです。
"APDL・IADLでの評価の必要性
ADLはできてるから介護がいらないわけではありません。
基本動作だけではなく、細かくなにができて何ができないのか、なにを介助すれば安全に生活が行えるのかを考えるのに良い評価指標なのではないでしょうか。
さきほども述べましたが、IADLは高次脳機能の要素も動作を行う上で必要な能力になります。
病院や施設ではなかなかADL重視でその人を見てしまいがちな気もしますが、高次脳機能面も考慮してIADLを使用することで今後の生活で必要なサービスや介護用品の選択にも活かせることができると思います。