ジャックナイフストレッチとは
ハムストリングスのストレッチング法として「jackknifeストレッチ」が提案されています。
ジャックナイフとは「折り畳み式ナイフ」という意味ですが、
ストレッチのやり方として体幹と大腿前面をぴったりとくっつけて「折り畳みナイフ」のように体を折り畳んだ状態から膝を伸ばしていくものであるため、この名前がついています。
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このストレッチは、帝京大学医学部付属溝口病院の西良浩一医師が考案したもので、
腰痛の原因としてタイトハムストリングスが多く関係していることから、このストレッチで予防・改善を図ろうというものです。
"ハムストリングスの硬さと腰痛の関係
ハムストリングスは2関節筋であり、大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の3つの筋の総称です。
起始は坐骨のため、股関節の動きと骨盤の動きに関与していることがわかります。
ハムストリングスが柔軟であれば、骨盤と股関節の分離運動ができます。
ハムストリングスが硬いと、骨盤と股関節の分離運動がしづらくなります。
ハムストリングスは股関節の伸展の作用があるため、短縮すると骨盤は後傾位となります。
短縮は骨盤の前傾運動が妨げ、骨盤の前傾を腰椎の屈曲で代償して、腰部の筋をたくさん使ってしまい過負荷から腰痛につながります。
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ジャックナイフストレッチのやり方
➀足を肩幅に広げてしゃがみます。このときに胸と大腿前面がぴったりくっつけます。
➁足首をつかみ、胸と大腿前面はくっつけたまま膝を伸展させていきます。
➂これ以上膝が伸びないというところで、その姿勢のまま5秒~10秒ほど保持します。
※もう膝が伸びないところで尾骨を天井に引き上げるような意識でさらに骨盤前傾と膝伸展を強めるといいでしょう。
この➀~➂を5セット程行いましょう。
足首をつかまないで、膝を抱きかかえるようにしてもいいと思います。
ストレッチングと相反神経抑制
ストレッチは静的と動的があり、今回のジャックナイフストレッチは静的ストレッチにあたります。
静的ストレッチも、
- ストレッチしたい筋の拮抗筋を収縮させて相反神経抑制のメカニズムを利用したアクティブ・スタティック・ストレッチ
- 重力を利用したり、パートナーに背中を押してもらったり手を引っ張ってもらったりして筋の収縮を利用しないパッシブ・スタティック・ストレッチ
の2つにわけられます。
ジャックナイフストレッチでは、ハムストリングス(膝屈曲の作用)の拮抗筋である大腿四頭筋を収縮させるように膝を伸展します。
運動を円滑に行うための生理的な反射として相反神経抑制があり、
主動作筋を収縮させるとその拮抗筋には抑制をかけるという仕組みがあり、今回はこの抑制のメカニズムを利用しています。
抑制をかけてさらに緩みやすくしながら伸張ができるので、効果的にストレッチができるのです。
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