脛骨高原とは、脛骨の上端の関節面のことを指します。膝の関節面にあたるため、治療に難渋すると体重を支えられず歩行障害や可動域制限につながります。
今回は、脛骨高原骨折の病態、原因、治療、リハビリなどをまとめてみました
脛骨高原骨折のリハビリのために病態を知ろう
脛骨高原骨折(プラトー骨折)とは、脛骨の上端の関節面(膝の部分)の骨折です。正式名称は脛骨近位端骨折で、脛骨高原骨折ともいいます。
治療は、ズレがない場合にはギブス等で保存的に治療することもあり得ますが、多くは外科的手術によりプレートを入れて固定することになります。 手術後の安静とリハビリが必要で、2か月以上の入院が必要となることが多いです。
脛骨プラトー骨折(脛骨近位端骨折、脛骨高原骨折)は、関節面の骨折であるため、膝の脱臼、靱帯の損傷、半月板の損傷等を伴うことが多く、後遺症を残すケースが多い骨折です。
"脛骨高原骨折の症状
若い人の骨折では交通事故や高所作業中の転落などの高エネルギー外傷によって骨折します。
高齢者では転倒で膝をぶつけたときに骨折することが多いようです。
症状としては
・膝関節運動時の痛み
・荷重時の膝関節の激しい痛み
・歩行困難
・時間が経過すると膝関節内に血腫がたまり、膝を動かすことも困難になる
などです。
脛骨高原骨折の受傷機序
膝関節を形成する脛骨上部は中央部が盛り上がり、外側部は平面で、内側部は凹をなしています。
膝関節はFTA約176°で軽度外反しています。
骨密度は外側の方が低く、とくに前2/3が脆弱部位となっています。そのため、膝関節に外反強制が加わると外側関節面に骨折や陥没が生じます。
"脛骨高原骨折の治療
保存療法
転位が少ない場合は保存療法が選択されます。
保存療法では4週ほどの外固定(ギプスなど)と外固定がとれてからも、受傷から7~8週までは完全免荷になります。
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手術療法
・プレートによる内固定
プレートと呼ばれる金属の板をスクリューで内固定する方法があります。
転位が大きく整復しても段差が生じてしまう場合などは人工骨や自家骨移植などをする場合もあります。
・関節鏡視下手術
転位が少ない場合は関節鏡を使用して、侵襲が少ないままスクリューのみで固定することもあります。
脛骨高原骨折のリハビリ
保存療法と手術療法では免荷期間が異なります。
保存療法では8週程まで完全免荷、手術療法では6~7週間までは完全免荷になります。
受傷後約6週まで
・患部外トレーニング
・膝蓋骨モビライゼーションなどによる膝周囲組織の柔軟性改善
・痛みのない範囲でのOKC運動
・完全免荷での両松葉杖歩行
受傷後6~10週の期間
レントゲンで骨癒合状態を確かめながらDrに確認し患側の荷重を増やしていきます。
体重の1/4、1/2、3/4荷重と順番に荷重練習を進めていきます。
・荷重下でのCKC運動
・膝関節のROM運動
・部分免荷での松葉杖歩行
受傷後約10週以降
受傷から10週程経過すると全荷重が許可されることが多いです。
・T字杖歩行や独歩
・階段昇降