認知症の基礎知識を知って正しく接しよう!種類・症状別の対応方法・BPSDを解説



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私たちが関わる利用者さんやご家族さんの高齢化が進み、認知症・認知機能低下が疑われる方と接する機会が増えました。

その方々が在宅・地域でどのように生活していくことができるのか、基礎知識を元に支援方法を学んでいきましょう。

認知症の種類

このグラフはH25年度の認知症の方の割合を表しています。

一番多いのはアルツハイマー型認知症で約7割の方がアルツハイマー型認知症の診断を受けています。

 

次に脳血管性の認知症で障害部位によって段階的に進行する事が特徴です。

 

次にレビー小体型の認知症は、特徴として幻視やパーキンソン症状が見られる事が多い認知症です。

 

次いで、前頭側頭型認知症があります。

特徴として理性が働かなくなる。深い判断や思慮ができなくなる、自制力が低下する、感情を抑制したり行動を制御したりすることができなくなる、衝動を抑制しづらいなどの症状が見られます。

 

認知症の方は今後増え2025年には約5人に1人になるとの推計もあるようです。

アルツハイマー型

脳内にたまった異常なたんぱく質により神経細胞が破壊され、脳に萎縮がおこります。

 

【症状】

昔のことはよく覚えていますが、最近のことは忘れてしまいます。

軽度の物忘れから徐々に進行し、やがて時間や場所の感覚がなくなっていきます。

 

 

脳血管性認知症

脳梗塞や脳出血によって脳細胞に十分な血液が送られずに、脳細胞が死んでしまう病気です。

高血圧や糖尿病などの生活習慣病が主な原因です。

 

【症状】

脳血管障害が起こるたびに段階的に進行します。

また障害を受けた部位によって症状が異なります。

 

 

レビ-小体型認知症

脳内にたまったレビ-小体という特殊なたんぱく質により脳の神経細胞が破壊されおこる病気です。

 

【症状】

 現実にはないものが見える幻視や、手足が震えたり筋肉が固くなるといった症状が現れます。歩幅が小刻みになり、転びやすくなります。

 

 

前頭側頭葉型認知症

脳の前頭葉や側頭葉で、神経細胞が減少して脳が萎縮する病気です。

 

【症状】

感情の抑制がきかなくなったり、社会のルールを守れなくなるといったことが起こります。

認知症の症状と対応

認知症の症状としまして図で表したような症状が見られます。

引用元:認知症ねっとhttps://info.ninchisho.net

大きく中核症状と周辺症状に分けられ、認知症を理解するにはとても重要です。

 

中核症状は障害により脳細胞が壊れ、脳の働きが低下することによって直接的に起こる認知機能の障害で、

それを取り巻く緑の丸は周辺症状を表しています。

 

周辺症状は本来の性格や本人を取り巻く環境に影響して現れる精神機能や行動の症状をいいます。

 

記憶障害

記憶障害は、海馬が障害を受けることによって生じます。

失われやすい記憶としては、短期記憶・エピソード記憶があり、比較的保たれやすい記憶は、長期記憶・意味記憶・手続き記憶があります。

特に、認知症の初期は短期記憶が失われやすく進行とともに長期記憶の障害へと広がる傾向があります。

また、エピソード記憶は、通常の物忘れであれば、体験の一部を忘れてしまいますが、認知症の場合は、体験した記憶を丸ごと忘れてしまいます。

 

対応

物忘れに対し否定するのではなく、根気よく現状を教えることが大切です。

また、否定や忘れてしまったことに対して責めてしまうと、本人のプライドを傷つけてしまう事にもなるため、注意が必要です。

 

見当識障害

見当識障害は、時間や曜日・場所など現在の状況や、周囲の人々と自分の関係を理解・把握することが難しくなる障害です。

時間の見当識では、現在の時間や曜日・季節がわからなくなってしまいます。

場所の見当識は、外出先で道に迷い、どこにいるのかわからなくなってしまったり、進行が進むと自宅が自宅であると認識できず、他人の家に帰ろうとしたり、トイレの場所がわからなくなり、排泄トラブルにつながることもあります。

対人関係の見当識は、比較的症状が進むことで生じます。

初めは、普段会わない人との関係性がわからなくなり、進行とともに家族や身近な人がわからなくなってきます。

しかし、関係性の理解が難しくてもその相手が顔なじみか、安心できる人であるかどうかを把握する力は失われにくいと言われています。

 

対応

起床時間や睡眠時間、食事の時間など生活リズムを整えることで混乱が少なくなります。

また、日付であればカレンダーに印をつける、人の顔や名前を忘れてしまうのであれば、顔写真と名前のボードを使用するなど、本人が認識しやすく混乱しない環境づくりが必要となります。

 

 理解・判断力の低下

理解・判断力の障害は、理解・判断に時間がかかり情報処理能力が低下します

その為、1度に2つのことを言われたり、早口で話されると理解が難しくなったり、突発的な出来事に対応することができず、混乱してしまうことがあります。

また、急かさなければ適切な判断ができることもありますが、外出時には、信号や踏切を渡る、乗り物を運転するなど、咄嗟の判断が必要となるため、直接命にかかわってくる可能性も考えられます。

 

 

対応

情報量が多くなると処理しきれないため、ゆっくりと理解が得られやすいように話す必要があります。

また、選択肢から選ぶなど判断材料を限定することで、判断や返答がしやすくなります。

また、外出時など危険が多い場所には、家族が同行し、1人にさせないなど特に注意が必要となります。

 

 

実行機能障害

実行機能障害は、計画を立て効率よくこなしていく能力の低下です。

また、同時並行の作業が苦手となり、進行に伴い単純な作業も困難となっていきます。

例えば、料理や電気製品の使用が難しくなる。

更衣の順番がわからなくなり、更衣自体を避けてしまうなどの症状が見らえます。

 

 

対応

手順や指示をまとめて1度で伝えるのではなく、細かく段階を踏んで、声掛けすることで、混乱なく作業をすることができます。

 

 言語障害

言語障害は、言葉の理解・表出が難しくなります。

また、自分の思いを言葉として表現できず、家族とのやり取りに支障が出てきます。

 

対応

ゆっくり区切りながら理解しやすいように話すことや、マークやジェスチャー等非言語性の伝達手段を含め本人が理解しやすい方法を検討していく必要があります

 失行

失行は、運動機能に問題はないものの、道具の使用を適切な手順や動作で操作することが難しくなります。

 

 

対応

できない事をフォローし、道具の使いかたなどは視覚で分かりやすく提示する。

 

 

 失認

失認は、身体的に問題はないものの、目から得た情報を適切に認識できなくなります。

 

 

対応

失認は、認識できる位置にわかりやすく提示したり、本人が認識できる手段の検討が必要になります。

 

 

BPSD(認知症の行動・心理症状)

BPSDとは、認知症の方の多くに行動の異常がみられ、以前はこれを問題行動と呼んでいましたが、その軽蔑的な意味から、国際老年精神医学会がBPSDを提唱したそうです。

定義としては、

「認知症において頻繁にみられる知覚、思考内容、気分、行動の障害」

とされています。

 

BPSDの症状

<行動症状>

・暴言、暴力

・反社会的な行動

・徘徊

・食事、服薬、介護などの拒否

・不眠

・異食 

 

<心理症状>

・意欲、関心が無くなる

・幻覚、幻視

・妄想

・不安

・焦燥

 

BPSDの出現要因

認知症の方は、適切な判断ができなくなり、また言語によるコミュニケーションが十分に果たせなくなることから、不安、焦燥、攻撃、拒否といった感情が生じ、これらがBPSD発症に関連します。

 

例えば

「言葉で上手く伝えられない事があれば怒る」ことがありますが、これは

暴力をふるう等で伝わらなさを表現する事がBPSDとなる事があります。

また、介護者の不適切な声掛けや対応によってBPSD発症に繋がる事があります。

 

BPSDの物とられ妄想

引用元:https://www.tsurusana.com

BPSDの対応例を一部ご紹介します。

物盗られ妄想に対してです。

自分の記憶障害を認めたくないがために物盗られ妄想へと発展することがあります。

このような事例に対しては、頭ごなしに「ちゃんとしまってありますよ」と指摘しても怒りを助長してしまうだけですので、その時の状況に合わせて対応するのが良いです。

 

・まずは傾聴する。

・一緒に探してみる

・「お茶を飲んでから探しましょうか」と話題を切り替えてみる。

 

 

専門職の気付きとスクリーニング

私たちが患者さんや利用者さんと普段接する中で専門職として、反応のずれや、会話のテンポのちょっとした変化など、

今までと何か違う!

という気づきはとても大切です。

 

買い物や食事の準備、服薬管理、金銭管理、交通機関を使っての外出などの状況を情報収集し、自立した社会生活が損なわれつつある場合は早期に対応し今後の生活について考えて行く事が大切です。

 

認知症の方の受診拒否

認知症の方に対して訪問時に聞かれるであろう問題を取り上げて紹介していきます。

認知症が疑われる方に対しての病院受診拒否についてです。

在宅で認知症が疑われる方は、そもそも自分を認知症だとは思っていないケースが殆どです。

そのため、病院受診を促しても拒否されるケースがほとんどです。

今回紹介するのは受診拒否がある方に対してどのように病院の受診を進めて行けばよいのかの例を紹介していきます。

ポイントとして認知症と言うワードを避け、他の理由で口実を作り受診を促す方法です。

 

 

・「たまには健康診断を受けよう」と声をかけて医療機関に連れていく。

 

・現在通院中の疾患(高血圧や腰痛など)を口実にして、かかりつけ医から紹介してもらう。

 

・軽い症状(風邪や腹痛、頭痛、頻尿、皮膚発疹など)をきっかけに医療機関を受診し、その際に相談する。

 

・周囲に協力を仰ぐ方法です。

ご家族以外の少し離れた関係の方からの説得されると受け入れが良い場合があるケースもあります。

 

・地域包括支援センターや役所(保健師担当部署)、認知症コールセンターなどに相談する。

家から連れ出すのが難しい場合、各相談窓口で往診の相談をしてみる等の方法があります。

 

 

まとめ

今後、高齢化社会に伴い、認知症の方々の増加が見込まれる中で、認知症とともによりよく生きていけることができるよう、専門職としての関わり方が重要であると考えられます。

社会全体で、認知症の方々を支える基盤として、病状を正しく理解した上で、ご本人やご家族を暖かく見守り、支援できるように今後も取り組んでいきたいです。



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